ワンタッチで着火出来て火力調整も思いのまま! 取り扱いが簡単なガスボンベ式ストーブは、万人向けの調理器具と言えるでしょう。
ちなみにアウトドア業界では欧米の慣習に習い、携帯用コンロをストーブ(STOVE)と(格好つけて)呼ぶのが常です。
イワタニのジュニアバーナー CB-JRB。購入当時(1998年)の価格は4千円ほど。どの家庭にもある一般的なカセットコンロ用のガスボンベ、通称CB缶がそのまま使えるのが特徴です。
キャンプ用ストーブによくある円筒形で上部が丸いボンベ、通称OD缶は田舎のホームセンターにはなかなか置いてないし、あっても少々高価。しかもストーブ本体と同じメーカーのボンベでないと(表向きは)使用NGなのが欠点です。その点カセットコンロのボンベならば同じ規格品がスーパーやコンビニで簡単に入手出来、費用もずっと安く済むのが最大のメリットでしょう。
ミニサイズのCB缶をセットすればコンパクトにまとまるので、日帰りツーリングのお供に持って行ってコーヒー野点を楽しんだり、机の横に置いて仕事の合間にコーヒーを沸かしたりと、とても気軽に扱えます。
他方、カセットボンベは基本的に屋内で使う器具なので、気温が低くなる秋冬の野外では燃焼効率がガクッと落ちます。0度前後になると、もはや使い物になりません。
低温に強いイソブタンなどの特別なガスを使ったCB缶もありますが、これもアウトドア専門店でないとなかなか置いてなく、値段も高価なので、カセットボンベを使う意味が薄れてしまいます。
2015年1月9日追記 購入してから実に17年もの長きに渡って活躍してくれたジュニアバーナーでしたが、ボンベを取り付ける部分からガス漏れらしきシューシューという音や匂いが出るようになりました。ノズルの根元と接するOリングか、缶を引っ掛けて固定する黒い樹脂パーツの劣化と思われます。ただし毎回必ず漏れる訳ではなく、出ない時は全然出ないのですが、何しろ火を扱う器具ですので、安全第一で使用を取りやめる事にしました。
ジュニアバーナーが使えなくなった話をSNS上で何気なく書いたところ、同じ九州のオートバイ仲間でもあるVさんから同形式のものを譲って頂ける事に。Vさん、ありがとうございます!
しかもこれはゴトクと脚部の材質をステンレスからチタンに変更してあるライトウエイトモデルで(2015年現在は販売終了)、ノーマルが実測260グラムに対してチタン仕様は230グラムと、五百円玉にして4枚分ほど軽く、手で持っただけではっきり違いがわかります。
オートバイや車のキャンプでは装備品の重さなど大して気にしませんが、ほんの少しでも軽くしたい自転車ツーリングや山歩きにはありがたいものです。
アマゾンプライムでとある人気アニメを見たのがきっかけで、アウトドア向けのOD缶専用小型シングルバーナー、SOTO アミカスを衝動買いしちゃいました。(こういう人、結構多いのでは?)
一応理由付けをしてみますと・・まず寒い朝夕などのハードな用途を考慮しなければ、すでに持っているジュニアバーナーでも十分なのですが、自転車や徒歩での携行を考えた場合、田舎町ではミニサイズのCB缶(カセットボンベ)の入手が意外と難しいのです。その点においてはアウトドア用OD缶とそれほど差がなく、ガスの性能に関しては後者が断然有利です。
(※以前は低温環境に対応した高性能なミニCB缶も売っていましたが、ニーズがなくなったのか、近年は専門店やネットショップでもほぼ見かけません。)
先のきっかけとなったアニメに準拠するなら、マイクロレギュレータを内臓し、氷点下や強風など悪条件に強いとされる上位機種のウインドマスターを買うべきところでしょうが、少々高価(別売りの大型オプションゴトク込みで1万近い)なのが泣き所。そもそも作者的にはハードな使い方は全く想定していませんし、ウインドマスターよりも設計年次が新しいせいか一体型となったゴトクは落としたり紛失する事がなく、加えてサイズもコンパクト・・と、お気楽アウトドアにはうってつけ。
ゴトク外周の直径は約10センチと、大きな鍋を乗せるとちょっと不安定ですが、ソロ用と割り切ればこれくらいがベターではないでしょうか。
バーナー本体は手のひらにすっぽり収まるサイズ。コーヒー用の湯沸かしや一人分の調理では、火力もほぼ文句なしです。ウインドマスターを継承したすり鉢状の火口の働きにより、風にも結構強い印象。
OD缶の直径や高さは各社ほぼ同じになっていますから、バーナー込みですっぽりと収納できるコッフェルセットも多く用意されており、可搬性がさらに向上します。
ガソリンストーブのような取り扱いの面倒さもなく、小型軽量で火力は十分。これからキャンプを始めたい人にはぴったりな1台だと思います。
ガソリンやアルコールなどの液体燃料を使うストーブは取り扱いが少々難しく、あまり初心者向きとは言えません。しかしながら、独特の匂いや燃焼音、着火前の下準備など、使いこなす事を楽しむ趣味の道具として、カロリー数などのカタログ値だけでは表せない大きな魅力があります。
とりわけオートバイキャンプでは、タンク内のガソリンがそのまま燃料として使えたりするので、燃料切れの心配がほとんどないのも嬉しい点です。
アメリカの登山用品メーカー、MSR製のガソリンストーブ、ウィスパーライト600インターナショナル。2000年の秋頃に購入。価格はボトル別で1万5千円ほどでした。
(※近年は数字の600は書かず、単にウィスパーライトとだけ呼ぶようです)
使う燃料はアウトドア用のホワイトガソリンや自動車用のレギュラーガソリン(ハイオクは非推奨)で、パーツを差し替えれば灯油でも使えます。
なんとジェット燃料にも対応していますが、そんなものどこに売ってるんでしょう?
燃料ボトルは基本的に別売りで、大中小の3種類があります。作者は中サイズの650mlをよく使います。これにオートバイのタンクから小分けにしたガソリンを満タンにしておけば、夕食と夜食、そして翌朝の朝食に使ってもまだ余裕で残ります。
これとほぼ同型のホワイトガソリン専用モデルもあり、燃料パイプがうんと細いので見分けがつきます。
ガソリンを使った時の強力な火力、炎の安定感は素晴らしく、テントのフライシートが凍りつくような氷点下の朝でも、何の問題もなく使えます。
ただしアウトドア雑誌のレポートなどでもよく指摘されるように、弱火の維持が苦手。このため微妙な火加減を要求される米炊きがしにくい、と言う人もいますが、実際の米炊きでは弱火を何十分も維持する必要はありませんし、よほど凝った鍋料理でも作らない限り、巷で言われるほどの不自由さは感じません。
作者が以前やった22日間の長距離ツーリングでも、1人分の炊飯からおかず作りまで全てこのMSR1台でこなしました。
構造がシンプルで、分解掃除も簡単、放っておくとガチガチに錆びつくような鉄製の部品も見あたりません。
MSRはポンプ部分がほぼ全て樹脂製である事から、いかにも長持ちしなさそうな印象を持たれる事が多いのですが、作者の場合、テント外に一晩放置し雨や朝露でびしょびしょにしたり、夜中トイレに行く時につまずいて蹴っ飛ばしたりと、かなり荒っぽく扱い、それでも最初の6年間は何の故障もなく動いていました。
その後、2005年になって火力調整コックの基部に小さな亀裂がいくつか発生しているのに気付き、燃料漏れはなかったものの安全を考慮し、その前年にモデルチェンジしていたスタンダードポンプを購入。
それからは2015年(交換してから11年目)に火力調整コックのOリング劣化によるガソリン漏れが起きたのみで、ほぼノントラブルです。
この新しいスタンダードポンプを使えば、ウィスパーライトの弱点だった弱火調整が改善されるらしい・・という話をよく聞くのですが、作者の場合ほとんど変化はありませんでした。
詳細はMSRウィスパーライト・ポンプに亀裂、新型スタンダードポンプに交換に書きました。
オリジナルの旧型ポンプとスタンダードポンプは内部構造が微妙に異なるため、旧型セット付属のメンテナンスキットは使えません。Oリングなどの消耗品を交換をするには新しいスタンダードポンプ用のアニュアル メンテナンスキットが必要です。
このストーブは季節や気温に関係なく、使用する前にプレヒート(予熱)をしっかりやらないと機能しません。
まず20回ほどポンピングした後、火力調整コックを少し開けて、ストーブ本体直下にある受け皿に液体のガソリンをちょっぴり出し、周囲のグラスファイバー芯に浸みこんだ所を見計らって、着火。
この炎でストーブの中心部やジェネレーター(燃料パイプのループ部分)を加熱し、ガソリンの気化を促そうという訳です。
ガソリンに直接着火するのですから、一瞬で大きな炎がボワッと立ち上り、初めての人はビビる事うけあい。プレヒートがほとんど不要なコールマンと違い、テント内や芝生上での点火はちょっと怖いです。ストーブの下部にもかなりの熱が伝わりますから、草地やテーブルを焦がさないようB4サイズのベニヤ板を敷くようにしています。
プレヒートの炎が自然に小さくなる頃には十分暖まっていますから、再び火力調整コックを開けると、熱せられたジェネレーターを通って気化したガソリンがシュー、シューと出る音がしますので、そこにあたらめてライターで着火。タイミングよくやればプレヒートの残り火が燃え移ってくれます。
そしてこのストーブの名称、Whisper(ささやき)の由来にもなったシュッシュッシュ、というリズミカルな燃焼音と共に、青い炎が頼もしくゆらめき出します。
少々手間ではありますが、立ち上がる炎に何か儀式めいたものを感じる事もあって、作者は結構気に入っています。長期間の一人旅、シーズンオフの誰もいないキャンプ地で、暗闇に赤い炎がボッボッボッ・・と燃えているのを見ていると、何だか心まで温かくなり、MSRに元気づけられているような気がする事さえありました。
ワンタッチで着火可能なガスボンベ式では、この気分はまず味わえないでしょう。
プレヒートに関連して注意すべき点として、一旦使い終わって火を消した後、あまり間を置かずに再点火しようとすると炎が安定しない事があります。つまりプレヒートが不要なほど暖まってはいないが、液状のガソリンが出せるほど冷えてもいない・・という状態でガソリンが中途半端に気化してしまい、赤い炎とススが多く出て不安定になってしまうのです。
よって再点火するにはある程度冷えるまで待つ必要があります。
ジェネレータ端にある六角形のノズルを交換する事で、ガソリンの代わりに、より身近な燃料である灯油を使う事が出来ます。これはアウトドア遊びだけでなく、もしもの災害時にも役立つと思います。
IGと刻印がある方がガソリン系で、Kの刻印が灯油及びジェット燃料向け。Kはおそらくケロシン(kerosene)の頭文字でしょう。
両者を虫眼鏡でよく見比べてみると、噴出口のサイズが微妙に違うのがわかります。
ガソリンと比べると若干火力が落ち、炎も赤め。鍋底が黒いススで汚れがちなのが灯油の弱点でしょうか。
通常のガソリンでもススは出ますが、灯油使用だともっと多く出ますので、取り扱い時は手を汚さないよう軍手等が必須です。
いろいろ面倒な部分もありますが、使いこなせばとても頼りになる道具。メーカー名のMSR(Mountain Safety Research=山岳安全研究所)や、もとは冬山登山において雪や氷を溶かして飲料水を確保するために開発されたという逸話も、アウトドア心をくすぐります。
上に乗せるナベを少しでも安定させようと、ゴトク上面の鍋と接する部分をグラインダーでほんの少し平らになるよう削ってあります。しかし効果の程は・・よくわかりません(笑)。
新品で買って2年目くらいの時に、ゴトクを兼ねるスタンド部の接点の溶接が剥がれてしまった事があり、そのままでも使用には差し支えなかったのですが、職場にあった電気溶接機でくっつけ直してみました。
現在のモデルは一体プレート式に変更されており、このような事は起きません。
野外用のガソリンストーブと言えばコールマンのシングルバーナーが定番。ガソリンストーブながらプレヒートがほとんど不要で取り扱いが簡単。作りも頑丈で頼りになりますが、まともに買うと1万円くらいします。
1998年の春先、隣町に出来た24時間営業ホームセンターの開店セールでなんと2,980円で出ていたのを衝動的に買ったのが、1台目のSPORTSTERでした。
以来、オートバイに積んであちこち走り回り、大変お世話になりました。
SPORTSTERは一応ホワイトガソリン(通称白ガス)専用となっていますが、車用のレギュラーガソリン(通称赤ガス)を使っても大きなトラブルはありませんでした。
この当時のコールマンはどうも製造過程による品質のバラツキが大きかったようで、米国以外の国でライセンス生産をするようになってから、当たりはずれが出るようになったとも言われます。
1台目のSPORTSTERも購入当初から火力調整コックに不自然なゴロゴロ感があったのですが、ある時強火しか出なくなり、出先で米焚きに難儀した事があります。それで2台目を買う時はお店に10数個ほども積んであった新品の箱を順番に開けていき、コックの回し加減などをチェックして選びました。
その甲斐あってか、コックのガタつきもなく弱火もばっちりオッケー。SPORTSTERでは赤ガスを入れるとススが多めに出ていましたが、2台目の508Aではほとんどなし。これほど違いが出るとは驚きでした。
現在はMSRがメインになったので、SPORTSTER、508A双方とも友人に譲ってしまいました。
カセットコンロ用ガスボンベを使用する、イワタニのジュニアランタン CB-JRL。同社のジュニアバーナーと同系列の製品です。
ホヤはドイツのショット社製の耐熱ガラスを使用。透明なので小さい割には明るい光です。
構造上、平らな場所に置いて使う必要があり、野外の梢などにぶら下げられないのがちょっと不便。
持ち運ぶ時の注意点として、必ず地面に対して垂直になるようパッキング(荷造り)する事。横にすると振動でマントル(発光する部分)がすぐ破れてしまうのです。
スペアのマントルはイワタニ純正の専用品を使うようになっていますが、アウトドア専門店にもあまり置いていないので、とりあえずちょっと大きめのイワタニCB-100用を入れていますが、特に問題なく使えています。
2018年3月12日追記 その後、ジュニアランタン CB-JRLとCB-100の指定マントルは共通品になったようです。
時代の波に押され導入したLEDヘッドランプ、ジェントス GTR-931。電器店で2千円ほど。
その明るさと消費電力の少なさはやはり特筆モノ。軽量コンパクトで、普通に使っているぶんにはおそらく球切れとも無縁でしょう。欠点は白くまっすぐ伸びる光条が、電球ランプのような暖かみに欠ける点くらいでしょうか。
最近は電器店やホームセンターでもこのような高性能なLEDライトが安価で手に入るので、わざわざ都市部のアウトドア専門店まで出かけなくてもいいのが、田舎住まいの身にはうれしい所ですね。