作者がソロキャンプ時にいつもやっている、ひとりぶんの米炊きの手順を書いてみます。
外国製のガソリンストーブは弱火の調整がしにくく米炊きが難しいとよく言われますが、道具のクセをよく知り、注意しながらやれば大丈夫。案ずるよりも炊くが易し、です。
まずお米を1合コッフェルに入れ、水でとぎます。人さし指でグルグルかき回し、水を換えて1〜2回やればOKです。最近のお米は精米技術がよくなっているせいか、昔みたいにゴシゴシやらなくてもすぐ半透明になってくれます。
水位は米の高さの2倍が原則。コッフェルを水平に置き、指をまっすぐ差し込んで関節の位置などで測って、だいたい合っていればOKです。
水の調整が終わったらフタをして、30分から1時間ほど放置し、米に水分を吸わせます。時間を置くと炊きあがりがふっくらとなり、失敗もしにくくなるのです。時間がない時は水を気持ち多めにします。
作者はいつもテントの設営前や温泉に入りに行く前に洗って置いておきます。
火加減も大事ですが、水加減はそれ以上に大事です。あまり多すぎると途中での軌道修正がむつかしくなります。
ストーブに火をおこし、コッフェルをかけます。
325mlサイズの小型ボトルにレギュラーガソリンを3分の1ほど入れ、ポンピングを20回。これだけで炊き上がりまで再ポンピングは要りません。風よけシールドは必須です。
最初はごく普通の火力(感覚的に中くらい)で行きます。フタが持ち上がらないよう、適当な重しを乗せるのを忘れずに。
3分ほどすると、グツグツと吹きこぼれてきます。
火にかけてからおよそ5分、吹きこぼれが少し収まってきます。ここでちょっとフタを開けて中身をのぞいてみましょう。
水位が下がり、ふっくらと顔を出した米の周囲に熱水の泡がボコボコ立っている状態でちょうどいいです。水が少なくお米がむき出しになっていたら水をちょっと足しましょう、この段階でならまだ間に合います。
炊飯の手順に関する昔の言葉で「はじめチョロチョロなかパッパ、赤子泣いても蓋とるな」などとよく言われますが、この蓋とるなの部分は火を止めた後の蒸らし段階を指します。つまりここで開けても、何ら問題はありません。でも開けたらなるべく早めに閉めましょう。
熱くなったフタを開けるため、オートバイ用のグローブか軍手があるといいででしょう。
しばらくすると、フタの中から漏れる蒸気にご飯が焦げる匂いがほんのり混じってきますので、その機を逃さず、火力をぐっと絞って弱火にします。こぼれ汁が炎で焦げる匂いに惑わされないよう注意です。
このへんでふたたびフタを開けて最後の味見。もしベチョッと柔らかすぎたら、水が多すぎて大失敗の予感・・。各人の好みもあるでしょうが、作者的にはこの時点で舌触りが少し固いくらいがベスト。蒸らしを終える頃にはちょうどよくなっています。
ごく弱い火はMSRウィスパーライトも苦手ですが、消え入りそうになったら少し開け、強くなったらクイッと軽く閉めて、数分間弱火状態を維持すれば大丈夫です。何十分も長々と維持する必要はありません。
MSRで弱火をうまく使うには、タンク内の空気圧変化が少なくなるよう大きめの燃料ボトルを使うか、燃料は少なめにし、最初のポンピングを5〜6回程度にしてガソリンに加わる圧力を小さくする、という方法もあります。でもそれ以上に、炊きあがるまで火から目を離さないのが一番大事だと思います。
炊き始めからおよそ10分。このへんで火からおろします。
フタを下にしてひっくり返してから底をポンポン叩き、ご飯をフタ側に落として蒸らしに入ります。
このまま10分ほど放置。この間にお湯をわかしたり、おかずを手早く作ります。
メスティンの場合、あまりバシバシ叩くとフタが本体にめり込んで外れなくなりますので注意。
はい、出来上がり。底の部分にほんのりお焦げが出来ているくらいがベストです。
今回はいわしの缶詰とインスタントの味噌汁でお手軽に済ませちゃいましたが、野外で食べると格別においしく感じますね。
それでは、いただきまーす!