FDB206がわが家に来てから約1年、この間5,000キロ弱を後にしました。去年乗り始めた時に新しく入れたチェーンもさすがに寿命で、伸びてダルダルになっており、ギアによっては変な音が鳴るようになってきました。接続部分が摩耗してきたせいかチェーンを横に押すとラインが大きくたわんでしまいます。
長さではほぼ半リンクぶんの伸びが出ていました。自転車のチェーンは伸びが全体の0.5%を越えると寿命と言われますから、交換にはちょうどいい時期だったようです。
去年はシマノのCN-UG50というチェーンを入れましたが、このタイプは店頭に置いていなかったので、同じシマノの現行品の中で6速から8速まで対応するナロー幅のCN-HG50を購入。少し色が黒っぽいのと、外側プレートの湾曲加工が微妙に違っている他は、幅などの規格サイズは前のUG型と同じです。
前のUG型では一般的なママチャリのチェーンと同じようにチェーン工具でピンを出し入れして接続や調整をしましたが、今回の新しいHG型では使い切り式のコネクティングピンを用いるようになっていました。やり方はほとんど同じで、ちゃんとしたチェーン切り工具を使い、付属の説明書を読めば誰でも出来ます。
FDB206は104リンクが適正なので、前もって12リンクぶん抜き取っておいてからコネクティングピンで接続します。
チェーンはその構造上、外リンクと内リンクの異なる2つのパーツでペアを構成するので、全体のリンク数は必ず偶数になります。1リンク単位で調整可能な特殊チェーンもありますが、普通の自転車で使う機会はまずないと思います。
2015年5月14日追記 シマノの6,7,8速用チェーンはこれまで5種類ありましたが(CN-HG91,HG70,HG50,HG40,UG51)、2014年にCN-HG71とHG40の2種類に統廃合されました。
前回のチェーン交換から4年半近く経過。この間に走った距離はまだ1,500キロ少々で、摩耗もそんなに進んでいないのですが、以前のように頻繁に乗らなくなったせいか、プレートのあちこちにサビが目立つようになってきました。
といって新しく買うのも何だかもったいないので、試しにESCAPE R3に純正装着されていたチェーンを入れてみました。3年半前にR3を買ってからすぐ入れ替えたもので、メモによるとわずか186キロしか使っていません。きれいに掃除してオイルをふり、ジップロックで密封保存していたので、状態的にもほぼ新品同様です。
銘柄はKMCのZ7で、カタログ上は7速用となっていますが、サイズは従来と同じ1/2"×3/32″なので、FDB206の6速ギアでも問題なく使えます。
リンク数もR3が110だったのに対し、FDB206は104なので、6リンクカットすればOK。接続にコネクティングピンを使わない、昔ながらのシンプルな押し出しピン式で、作者にとっては馴染みがあって好感が持てます。シマノのコネクティングピンの方が初心者には簡単でミスも少ないですが、押し込んだ時の手応え感に乏しく、ちゃんとつながっているか、ちょっと不安になる事があるのです。
前回のチェーン交換から7年半。走行距離も4,500キロを越え、チェーンの横ブレが大きくなったので、新品に交換です。
KMCに代えてシマノの普及クラスCN-HG40を投入。
3年前のディレーラー交換の時に106リンクで設定し直したチェーンでしたが、トップギア位置でディレーラープーリーの並びが地面に垂直になるよう、さらに2リンク追加。テンション維持に余裕が出来、回転もスムーズになった印象です。
長時間の雨中走行を繰り返すなどしてガラガラと異音が出るようになったボスフリーを、純正品と同じシマノ製のMF-HG22(6速・14,15,18,21,24,28T)に交換しました。
型番が同じなのになぜか色がちょっぴり違っていて、一番大きいローのギア板のみ黒く塗られ、シマノのロゴも入っています。生産国もCHINAからSINGAPOREに変わっていましたが、ギア歯の形状や回転部分のカチカチ音、重量などは前のと同じです。
ちなみにボスフリーの脱着には専用工具が必要になります。
作者はノーマル状態の6速・14-28Tというギアでも十分(むしろ多すぎる)と思っているので実行していませんが、より細かくワイドな変速比を求めて7速やそれ以上のスプロケットに改造している人もいます。
FDB206のような安価なボスフリー式は通常7速までが入手可能な最大の段数ですが、チェーンや変速メカもほとんどそのまま使え、ちょっとした手間で簡単に実現可能なようです。
これが8速以上となるとハブやホイール、変速メカから何から丸ごと交換する必要があって難易度はグンと高くなります。
参考までに、DAHONライセンス車のスプロケット改造を紹介しているサイトを下記に挙げておきます。
小径車特有の短いリアセンター(クランク軸からリアハブ軸までの直線距離)とワイドなギアレンジが災いしてか、ギアチェンジに伴うチェーン脱落はDAHON系フレームの持病のように言われる事が多いですが、このFDB206も例外ではなく、何かの拍子に前ギアからスポッと外れてしまいます。
しかし、どういうわけか内側に落ちる事は一切なく、決まってチェーンガードのある外側にばかり落ちるのです。
このリング状のガードはズボンの裾がチェーンに触れて汚れないようにする役目と、一応チェーンの脱落防止のためにもあるようなのですが、それほどギアに接近して付けられていないので、チェーン外れ自体を防ぐほどには役立っておらず、走行中にガードとギア歯のすき間にチェーンが落ち込んで空回りする現象が頻発するのです。
まあ、完全に外れ落ちて地面にダランと垂れ下がってしまうよりはマシですが、気分よく走っている最中にいちいち止めて指先を汚しながらチェーンをかけ直すのもイライラします。どうにかしてチェーン外れを防げないものでしょうか?
車通りのない河川敷コースで実走しながら、何度も足元を観察してみたところ、どうやらチェーン脱落は2速〜3速の大きい(軽い)ギアから5速〜6速の小さい(重い)ギアに向かってシフトアップする時に限って発生しているようです。
ギアの直径が小さくなるにつれてチェーンのたるみも増えるせいか、変速時のショックでチェーンが左右に暴れる幅が大きくなるように見えました。
一方、登り坂で同じようにチェンジしても脱落はまったく起きません。おそらくペダルに力を込めている状態ではチェーンの上側がピンと張るので、テンションが適度にかかった状態ではチェーンの暴れる量も減って外れにくくなるのでしょう。
しかし今以上にチェーンの長さを切りつめるわけにはいきませんし、変速機のバネの強さも簡単にはいじれないように思います。
つまりチェーンの暴れを完全に無くすのは難しいけれど、どうにかしてギアの山を飛び越すような横ブレを規制するしくみを設ければいいわけです。
まずは簡単なところで、余っていた反射器の台座を利用してシートステーにあり合わせの金具を立て、チェーンラインが最も外側となる6速すれすれにセットしてみました。
結果はかなり良好で、上から見ていてもチェーンの暴れがこの金具の先端に当たる事で収束されているのがよくわかります。それでも極低速の無負荷に近い状態でロー側から数段飛ばしするような無茶な操作をするとポロッと落ちる事もありましたが、この辺は乗り手が注意しておけば問題ないでしょう。
金具の位置を可能な範囲で前後にスライドさせてみましたが、中央から少し前ギア側に寄せつけたあたりが効果が高いようです。チェーン自体にも輪ゴムのように共振しやすい周波数があるのか、暴れた時の振幅の山と谷は決まった地点で発生しているようで、そのピーク部分ををうまく押さえつけるようにしてやれば、小さな金具でも高い効果が得られるのではないでしょうか。
出来ればもうちょっと見栄えをよくしたいので、次回はチェーンステーの根本にあるスタンド取り付けボルトをどうにかうまく使って、裏側から目立たないように付けられるよう工夫してみたいなと思っています。
2006年5月19日追記 チェーン脱落防止ガイドを付けてもう300キロほど走りましたが、この間チェーン外れは1回もなし。思いつきで取り付けたわりには優秀と言えます。このガイドの存在すら忘れてしまいそうなほど。
2006年8月10日追記 さらに1,000キロほど走行を伸ばし、チェーンガイド装着後で合計1,300キロ走りましたが、チェーン脱落は1回もなし。走行中に擦れるためかチェーンの外側プレートにサビが浮いている事がたまにありますが、注油して拭けばすぐ消える程度です。
廃品で適当に作ったガイドが思いのほかうまくいったので、結局半年以上もそのまま放ったらかしだったのですが、年末の買い物でホームセンターに立ち寄った時ふと思い出し、資材コーナーの汎用金具を使って新たなガイドを作ってみました。
使用したのはごくありふれたスチール製アングル材。1枚50円〜80円ほどでいろんな大きさ・厚さのものがありますので、チェーンの高さを適当に指で測って買い求めて来ました。
サビの事を考えればステンレス材の方がいいんですが、鉄よりも硬いのでカットや穴開けがやりにくくなります。
仮組みして大体の位置を決めたら個別にカットして穴開け。まず支柱となるパーツを、サイドスタンドを固定しているキャップボルトで共締めします。ここのネジ径は10ミリもあるので穴開けがけっこう面倒。
ガイドパーツはチェーンの下側をくぐって外側サイドから上に向かって外れ止めを形作るよう曲げておきます。これはペダルを回した時にスボンの裾を引っかけないようにするためと、内側にチェーンが脱落した時、直下で受け止めるサポートになってくれるのを期待しての事です(もっとも内側に落ちた事は今まで1回もありません)。
これをネジ2本でしっかりと支柱に連結します。
上側のチェーンはサイドスタンドのステー面と平行ではなく若干後ろ向きに傾いていますので、ガイドパーツもそれに合わせて斜めに固定しました。
ガイドの下面からチェーンまでのクリアランス(高さ)は6速時で1センチ程度。あまり近すぎると走行中チェーンが上下した時にガリガリ当たる可能性があります。実際、この高さでも6速か5速でペダルを逆方向に蹴って勢いよく回すと、一瞬チェーンがたわんでプレートに当たります。
横方向のクリアランスは今まで付けていたガイドと同じ約5ミリ(6速時)にしておきました。ステー自体がしなやかなので、手で曲げるだけで容易に調整出来ます。
完成後、いつものコースを15キロほど走ってみましたが、とりあえず今までどおり機能してくれているようです。右のシートステーから変な棒が消えたので、見た目もすっきりしました。
もう少し距離を重ねてテストしたのち、余分な所をカットしたりサビ止め塗装などの仕上げをやろうと思います。
2012年11月14日追記 もう4〜5千キロほど走りましたが、特に問題は起きていません。錆び止め塗装は今もしないままです
朝の気温が1度以下となった寒い日の事・・走行中何の前触れもなくペダルが何かにひっかかった様に重くなり、回せなくなってしまいました。
慌てて停まってチェックしてみたら、何とチェーンリングの周囲に付いていたリング状のチェーンガードがバラバラに割れて、回転部に詰まっているではないですか!
このガードは黒い樹脂に銀色のメッキを施しただけのシンプルなもので、固定方法もチェーンリングの裏側から5本のタッピングビスによる摩擦で留めてあるだけ。それがすべて根本から折れていました。
表面の打痕や摩耗したメッキから推し量るに、靴のカカトや側面、または服の裾でこすれて、長期間のうちにそれなりのストレスが蓄積していたのでしょう。それがこの寒気による収縮で一気に亀裂が進行したのでは?と想像しています。
果たしてこのガードが単体のスペアパーツとして売っているかどうかはわかりませんが、アルミ板か何かをうまく円形に加工出来れば自作出来そうな気もします。オリジナルよりもチェーンに接近させるようにすれば、上記のような脱落防止ガイドも不要になるかもしれません。
あれからいろいろ探してみましたが、やはり単体のパーツとしては売っていないようなので、自分で作ってみる事にしました。
最初はアルミ板で作ったら格好良くていいかな〜などと考えていましたが、きれいな円形に切り出すのが難しそう(面倒そう)なので、加工しやすい樹脂製品で何かいいものはないか、メジャー片手にホムセンや100円ショップを回ってみました。
ズボンの裾がチェーンに触れないようにするためには、チェーンホイールの直径から考えて、ガードの直径は最低でも22〜23センチは必要でしょう。
このサイズの丸い物といえば、まず植木鉢用の置き皿や洗面器、大型タッパーのフタ、円形の樹脂製まな板などが候補に挙がりましたが、鉢置きは重量物を置く必要からか強度確保のためのリブ構造が邪魔だし、タッパーのフタではやわらかすぎます。最近流行りの樹脂製まな板は平面精度もあってよさげでしたが、包丁を相手にするだけあってかなり硬く、切削加工は大変そう。
結局、選んだのは洗面器。厚みもほどほどで加工の手間は最小限で済みそうです。しかも外周部分に微妙な段差が入っており、チェーンとのすき間を作るのにちょうどいいかもしれません。色もホワイト系で、無塗装でもFDB206の車体に合いそう。
税込み105円なので、失敗しても気楽にやり直せます。
ハサミやカッターなどで洗面器の丸い底部分のみを切り出し、ヤスリできれいに整形したあと、取り外しておいたチェーンホイールをじかに当ててネジ穴の位置をマーキングします。
洗面器は手で持つ部分のみ複雑なリブ構造で頑丈になっていますが、底や側面は案外薄くて実測1.5ミリほどでしたので、簡単にザクザク切り進む事が出来ます。むしろ肝心の底の部分まで切ってしまわないよう、力加減には十分注意する必要があります。
クランクが通る真ん中部分は適当にデザインして肉抜きをします。ちょっと遊んで回転する桜の花をイメージしてみましたが、なんだか金平糖か短足ヒトデみたいになっちゃいましたね。
樹脂の厚さがないので、あまりギリギリな部分まで切ると強度が不足して、肝心のガード機能がなくなるかもしれません。
チェーンとの間隔はトップギアの状態で現物合わせでやってみて、厳しいようなら取り付けネジの部分にワッシャーを挿入してスペースを稼ぎます。とりあえず約5ミリで調整しておきました。
さっそく10キロほど走ってみましたが、裾汚れを防止する機能に関してはほぼ合格。
変速時のチェーン外れ防止機能も見るため、従来のチェーン脱落防止ガイドはいったん取り外し、走りながらガチャガチャ変速しまくってみたところ、チェーンガイドを乗り越えたのが2回ありました。今回の洗面器ガードの厚さがオリジナルのガードよりもうんと薄いため、チェーンの金属プレートのすき間に食い込みやすくなったからでは?と思われます。
もう少し厚手の樹脂板によるガードを作れば解決するかもしれませんが、あまり重いものは付けたくないし、とりあえずチェーン脱落防止ガイドも併用した状態で、しばらく乗ってみる事にします。
6年使い続け、樹脂が曲がってベロンベロンになって来ました。機能的にはそれほど問題ないようですが、細かい傷に油汚れが入って全体に薄汚れており、少々見苦しいので、新しく作り直す事にしました。
2代目も百均の洗面器を使いました。ただし今回は少し厚手のものを選び、直径も大きくとってみました。これまでのサイズだと、薄手のズボンの場合、裾汚れ防止機能がもうひとつだったからです。
洗面器の底部にある厚みのあるリブ(高台)部分を強度パーツとして生かすため、外周ラインにして切り抜きます。
結果、直径25センチほどになりました。増分は約2センチですが、かなり大きく見えます。
変形を抑えるために肉抜きも少なめにしてみました。
外周からチェーンまでの落差が大きくなった分、裾汚れ防止機能もよくなったはずです。
安価な自転車では、これでもか!というくらいあらゆる面でコストダウンがはかられているもので、中でも変速用のアウター部分はよく知られた例かと思います。変速用のケーブルはブレーキ用よりも細いので(一般に変速用が直径1.2ミリ、ブレーキ用が1.6ミリ)、ケーブルの通り道であるアウターもそれ専用の細いタイプであるべきなのですが、ホムセンで売っている安い自転車はブレーキ用と全く同じアウターが使われている車体が相当数を占めます。
アウターが太いと中でケーブルが微妙に遊びがちになるわけで、節度を欠いたフィーリングになってしまいます。とりわけFDB206のようなフォールディングバイクは構造上ワイヤー経路をフレームから完全に独立させる必要があり、ケーブル全体をアウターが覆うため、普通のモデルよりもアウターサイズの影響は大きいはずです。
変速用アウターは外径約4ミリで、ハンドルの高いFDB206では長さ2メートル近くを要します。これだけ長いのはホームセンターにもなかなか置いてないですが、最近鹿児島市内に進出してきた大型アウトドアショップのSPORTS DEPOにて、変速用アウター・外径4ミリ×200センチを購入する事が出来ました。
ついでにシマノ純正の変速用ケーブル・太さ1.2ミリ×210センチも購入。どちらもほぼピッタリの長さで、ほとんど切らずに済みました。
ディレーラーの後ろ側のループはやや余裕をもたせてありますが、これは折りたたみ時にクランクの真下あたりでアウターが折れ曲がる際に前方に少し引っぱられるためで、ギリギリの長さだと収納時にディレーラーのアウター結合部に無理がかかるからです。
交換後はギアをガチャガチャと上げ下げを繰り返しても、位置のぶれがほとんどなく、直径の大きなギアに持ち上がる時にガリガリと音をたててモタつく事もなくなりました。
シマノで最下層に位置する廉価な変速コンポですが、数百円のアウターに換えただけでずいぶん走りが気持ちよくなりました。
8年少々ぶりに変速用アウターを交換しました。紫外線の影響か、もうだいぶ前から表面がボロボロにひび割れ、白い粉となって崩壊しつつあったのです。
ブレーキアウターも同じくらい長く使っていますが特に問題は出ていないので、このショップオリジナルパッケージのシフトアウター、あまり品質のよくない代物だったのかもしれません。
というわけで今度は名前の知れたパーツメーカーに交換しました。
作者のFDB206のシフターは導入の段階で純正品が壊れていたため、代わりにシマノ製のグリップシフターを取り付けていました。
しかしこいつも元は中古品で状態が悪く、カバーに入った亀裂を接着剤でくっつけ、固定ビスがガバガバになっていたのを本体にタイラップで固定するなどしており、ワイヤー交換や給脂でカバーを開ける度に余計な手間がかかって面倒でした。
それでもちゃんと動いてくれていたので、そのままにしていましたが、今回新しいグリップシフターが手に入ったので、試しに交換してみる事にしました。
今まで使っていたSL-RS31はワイヤーを引く部分に遊星ギアが仕込んである凝った作りで、操作が軽くなる代わりに手で回す角度が若干大きめなタイプでした。
いっぽう新しいSL-RS35は構造の簡単な廉価版で、外形はほぼ同じながら遊星ギアが省かれた直結動作タイプ。これにより回すべき角度も小さくなっています。写真でも1〜6の数字の間隔が狭いのがおわかりでしょう(もちろん変速ワイヤーの動き方は両者とも全く同じです)。
それ以外にもハンドルへの固定バンドが金属の別体式から樹脂ボディ一体型になるなど、生産コストがうんと削られている様子が伺えます。
交換後、変速操作がほんの少し重く感じるものの、短いスパンでパチッ、パチッと切り変わるダイレクト感がかえって心地よい印象です。これでしばらく走ってみる事にしましょう。
FDB206標準装備のグリップシフト。お気に入りなのですが、欠点としては、構造上どうしてもハンドル幅を広めに占有するので、スペース的に制約のあるフォールディングバイクでは、ベルやライト装着などの自由度が減ってしまいます。
あと、常に操作部が手に触れているため、動かすつもりがないのに何かの拍子にじわっと動いてしまい、ギアがガリガリっと音をたててしまう事が何度かありました。とりわけシマノ製のレボシフトは根元部分がグッと太くなっていて、運転中まっすぐ握りにくく、長時間乗ると手のひらがこわばって、変な疲れ方をする事も。
まあ、何にでもメリットとデメリットはあるものです。直感的に操作出来るグリップシフトは好きだし、実際それにばかり乗ってきた作者ですが、ここらで目先を変えて、新しい操作メカを入れてみようと思いました。
脱グリップをしてみるにあたって、やはり普段使いのパーツは出来が良くて入手も容易なシマノ製に限るよね!という事で、サムシフターのSL-TX30 R6というのを選んでみました。
同じ形で全体的に銀色をしたTX50というのもありましたが、透明な窓の中で動く赤い針がギアポジションを指し示す凝った造りがちょっと見にくいなぁと感じたのと、レボシフトの表示窓でもそうだったように、この手の透明樹脂は最初はいいけど、太陽光や雨などによる経年劣化で曇って見にくくなるのが常なので、無塗装の黒いパーツに数字が書いてあるだけの単純明快な造りのTX30にしました。
両者は価格差もほとんどないし、外装が異なるだけでおそらく内部構造も同じでしょう。
交換後は握り部分がかなり広くなり、ハンドルをフラットに掴めるようになりました。ほんの何センチかの違いですが、手元だと大きく感じます。
FDB206はステムとハンドルバーが溶接されていて交換不可能なので、今以上に幅広くは出来ませんから、限られたスペースを生かすのにも役立ちそうです。
操作は親指のみで行い、2種類のレバーを押し分ける事で、アップとダウンの変速操作をするようになっています。
シフトアップは青いレバー(ボタン)を押す事で1段ずつ上がり、シフトダウンは上段にある黒いレバーを押し込みます。こちらはシフトアップと違って押した分だけ一度に複数のシフトダウンが可能。ただしワイヤーを引っ張り上げる方向なので、そのぶん力が必要になります。
街中を5キロほど使ってみましたが、レバーの長さや位置もよく考えられており、グリップシフト同様に手元を見ずともアップ・ダウン操作が出来るようになるまで大した時間はかかりませんでした。
右手周辺のスペースが広くなったのはもちろん、これまで右手側だけ親指や人差し指でシフターを常に覆うよう運転していたのが、ハンドルを左右対称に掴めるようになった点が一番気持ちいいです。
それと、これまでのグリップシフトでは、今何段目に入っているかは窓に表示される数字を読む必要がありましたが、暗い中ではまず無理でした。しかしサムシフターならレバーの位置を手探りするだけでなんとなくわかるので便利です。
欠点は、アップ・ダウンとも親指で押すという同じ操作をするため、やはりグリップ式ほど直感的ではない点でしょう。これは慣れるしかないですね。
もうひとつ気になったのは、シフトアップがスパッと決まらない点。5速からトップの6速に入れる部分を除いて、ボタンを親指で押すとディレーラーが半分だけ動き、親指を離したら残り半分動いてガチャンと変わるという構造のため、微妙なタイムラグを感じます。まあレースに出るわけでもないですし、これもそのうち慣れるでしょう。
FDB206の標準装備のリアディレーラー(変速機)はシマノのTourney(ターニー)グループに属するRD-TY22-GSです。
通勤通学用シティサイクルやMTBルック車にもよく使われる、平たく言えば一番安いモデル。一応6〜7速のギア段数まで対応しており、プーリー軸間75ミリのロングケージはキャパシティ(使用可能な変速ギアの範囲)が大きく、フロント変速付きモデルにも使えるようになっています。
手に入れてから約10年間、さしたるトラブルもなく動いてくれましたが、問題もいくつかありました。まず、さすがに経年劣化で可動部分のガタつきが大きくなってきた点、それと現状では(おそらく今後も)リアの6速しか使わないのでロングケージが無駄な点、そしてリアホイールを脱着する際ディレーラーもフレームから完全に外す必要があって作業が少し面倒になる点です。
最後の問題点はディレーラー取り付け台座の形状に起因するもので、リアエンド(リアハブの軸をはめ込むミゾ)の形状が後方に向かって開いているフレームでは、台座も同じように後ろ向きに開いた正爪と呼ばれるタイプを用いますが、なぜかFDB206では反対向きの逆爪タイプが付いていたため、リアホイールを外す時に台座が邪魔でした。
もっとも、リアホイールを完全に抜き取る機会なんてハブベアリングのオーバーホールやタイヤ・チューブ交換など重整備の時のみで、年にせいぜい1〜2回程度。ディレーラー脱着の手間がひとつ増えた所で、それほど困っていた訳ではありません。
壊れてもいないパーツを交換するのはあんまり気が進まない貧乏性の作者ですが、乗り始めて10年の節目でもある事だし、経年劣化によるガタつきや整備環境の改善等を言い訳に、新しいディレーラーに買い換えて気分一新をはかる事としました。
でもそこは安く気軽に楽しむという当サイトの方針どおり、買いやすくてしっかりとしたパーツを選ぶよう心がけました。そうなると必然的に世界に冠たるシマノ製、それも同じTourney系列の普及クラスとなります。
選んだのはRD-FT35-SS。FDB206に適した正爪ブラケット仕様、軸間47ミリのショートケージは6〜7速対応でフロントシングルギア専用。キャパシティは17(最小11T、最大28T)で、14-28Tの6速ボスフリーに使うには十分な数字です。本家DAHONの主力機種BoardwalkやCurve D7にも採用されており、エントリーグレードながら信頼性は高そうです。
単体重量は実測270グラム。先代のRD-TY22が実測340グラムでしたから70グラムも軽くなりました。ただし後述の理由によりチェーンを2リンク追加したので差はもう少し小さくなっているはずです。
これと同じ形でパンタグラフとケージ片面が銀色のRD-FT55というのがありますが仕様はほぼ同じ。ワイヤー固定がFT35の六角ナットからキャップナットになっただけのようです。
ちなみにシマノ製ディレーラーの末尾記号のSSはショートケージを表します。GSがロングケージで、MGS、SGSはさらにその上のMTB向け大容量キャパシティ、といった風ですが具体的な数字の区切りは特にないようです。
台座は待望の正爪。固定ビスがエンドの奥の丸みにきっちり収まり、ようやく専用品になった感じです。
2枚のプーリーは3ミリの六角レンチで外せるのでメンテが可能。ただし構造はかなり簡略化されていて、先代にあったメタル軸を挟んで回転部を覆う金属パーツは省かれています。しかも分解してみたら潤滑グリスの類はほんの申し訳程度にしか塗られていなかったので、少しグリスを足しておきました。
近年のTourney系ディレーラーの特徴でもある回転プーリーを使ったヒンジがアウター受け部分にあり、ワイヤー経路がほぼ直角に曲げられます。このおかげでアウターの取り回しが直線に近くなり外観もすっきり。
同様の効果を生み出すパーツとしてはAvidのローラーマジグが有名です。SRAMのリアディレーラーも回転プーリーこそないものの似た構造が見られます。
変速操作は先代よりもほんの少し引きが重いかな?という気もしましたが、まだ新品でスプリングが元気なせいもあるでしょう。問題になる程ではありません。
逆爪から正爪になって固定ビスの位置がエンドの奥側になったため、ハブ軸の位置が7〜8ミリほど後退しました。つまりリアセンター(クランク軸からリアハブ軸までの直線距離)が長くなったわけで、これにより直進安定性がやや向上した筈です。もっとも両者をじっくり乗り比べたわけではないので、実感はほとんどありません。
副作用としてマッドガードの後ろ側のクリアランスが指も入らない位に狭くなりましたが、とりあえずステーの締め直しなどで若干広げておいたので問題はないでしょう。
ハブ軸が後退した影響でチェーンの張りもきつくなり、一番大きな1速ギアに入れるとケージが伸びきって回転抵抗が大きくなってしまったので、急遽チェーンを2リンク足して106リンクとし、どうにか許容範囲に持って来れました。