日本工業規格(通称JIS規格)では、自転車が夜間走行する際に使用すべき前照灯(ヘッドライト)の光度は400カンデラ以上でなければならない、と定めています。
以下に紹介するライトは、主に2008年以前に作者が購入した、前照灯としてのJIS規格に達していない、要するに暗いライトです。
JIS C9502(自転車用灯火装置)2008年11月20日改訂
昼間の点滅光によるマーカーや、メインのライトをサポートする補助灯として使用すべきでしょう。
道交法には自転車用ライトの明るさに関する具体的な指示はありませんので、上記のJIS規格を満たしていなくとも即違法とはなりません。そのかわり各都道府県毎に定める施行細則により、夜間に5〜10メートル先の障害物が確認出来る事、などと書かれています。
キャットアイ製のLEDヘッドライト・HL-EL210は白色の高輝度LEDが前面に5つ集中していて、単三アルカリ乾電池4本で100時間の連続点灯(点滅モードではその2倍)が可能だと(カタログ上では)謳われています。これは同じ価格帯の電球式ライトと較べても10倍近い長寿命。サイズも小型の電気ヒゲそり機ほどコンパクトなのにとても明るく、近くで顔に向けられると目を開けていられないほど。点滅モードでは1秒に3回ほどのサイクルでまたたきます。重量は電池込み実測で約160グラムでした。
実際に夜道を走ってみると、中心が青白くてフチはやや黄色っぽい色の光条がフラットに路面を照らし、電球式ライトにつきものの筋ムラもあまり出ません。ただ今までは電球の暖色系の光に慣れていたせいか、LED特有の直線的で冷たい光には少し違和感があります。
それとLEDの光はどうも雨上がりの濡れた路面では視認性が落ちるようです。これも光の色・波長が違うせいかもしれません。
このHL-EL210は約140カンデラの光度しかないので、JIS規格(JIS C9502)の定める光度400カンデラに達していません。よって単独での使用は勧められていませんので注意して下さい。
クロスバイクのESCAPE R3を新車で購入したさい、オマケで付いてきた小型LEDライトです。付属のフック付きゴムバンドでハンドルバーなどに直接巻き付けて固定する方式で、フックの固定用穴は3段階あり、ゴムバンドも長いのと短いのが2種類付属しています。
ゴムバンドの摩擦によって支持されるので、カッチリとした固定感はありませんが、走行中にズレてしまうような事は特になく、実用上は問題ないようです。ただし構造上、左右方向の調整はほとんど出来ません。
電源はボタン型リチウムCR2032を2枚重ねて使用。
黄色いボタンを押すたび、点灯、点滅、消灯とモードが切り替わります。発光体の高輝度LEDは3個使われていて、小さなボディの割にはそこそこ明るいですが、真っ暗な夜道でこれだけを頼りに自転車を走らせるのは、ちょっと度胸が要るレベルです。よってコンパクトさを生かしてメインのライトの横に付け足し、点滅モードでセーフティライト的に使うようにしています。
TOPEAK WhiteLiteには光度は表記されていませんが、作者が使ってみた感じではJIS規格(JIS C9502)の定める光度400カンデラをかなり下回るのは間違いありません。よって単独での使用は勧められていませんので注意して下さい。
一年ちょっと使ったところで、急に光らなくなってしまいました。よく見てみたらレンズ部分に水滴がびっしり・・どうやら浸水したようです。
開けてみたら、かなり前から水が入り込んでいたようで、電池の一部が赤く腐食していました。開閉部分には防水のためゴム製Oリングがはまっているのですが、ここから漏れた形跡はないようです。他で考えられるのはスイッチの黄色いゴムカバー部分くらいでしょうか。上部に位置しているのと、単純に穴にはめ込んであるだけなので、ここからジワジワと雨水や夜露が侵入してきた可能性はあります。
とりあえず赤く錆びた部分をきれいに掃除して、電池を新しく入れ替えたら問題なく復活しました。その後念のため、ゴムのフチやOリングには防水用のシリコングリスを塗布しておきました。シリコングリスは絶縁性が高いので、接点にくっついたりしないよう、ごく少量だけ使います。
上記のTOPEAK White Liteがメインライトとしては頼りない感じだったので、もうひとつメイン用のLEDライトを買ってみました。おなじみキャットアイの小型LEDライトHL-EL130。
今までメインで使っていたHL-EL210の半分くらいしかなく、使用電池も半分の2本。ハンドルに付けてもさほど違和感はありません。モード切替えはちょっと凝っていて、軽くワンクリックするたび点灯と点滅が切り替わり、そこから長押しするとスイッチが切れます。
発光体はLEDがひとつだけ。肝心の明るさは・・TOPEAK White Liteとさほど変わらないレベルでちょっとガッカリ。そのかわりランタイムはかなり長く、連続400時間と表記されています。話半分としてもかなりの持ちが期待出来るでしょう。
このHL-EL130は約75カンデラの光度しかないので、JIS規格(JIS C9502)の定める光度400カンデラに達していません。よって単独での使用は勧められていませんので注意して下さい。
上で書いたHL-EL130のグレードアップ版とも言えるLED3灯式のHL-EL135を買ってみました。発光体がLED3個になった以外はまったく同じで、電池カバーも共通。
より明るいライトを求めての事でしたが、確かに先代の1灯モデルよりは明るいし光の広がりも多少あるけど、それほど改善されているわけでもないなぁという感じ。ランタイムもさほど変わらないし、むしろ濡れた路面では大きめのLED1個の先代の方が路面を見やすかった印象があります(なぜか光の色が微妙に違って見えるので、そのせいでしょうか?)。同じ大きさで三倍明るいのを期待していたんですが、世の中そう甘くはなかったようです。
このHL-EL135は約150カンデラの光度しかないので、JIS規格(JIS C9502)の定める光度400カンデラに達していません。よって単独での使用は勧められていませんので注意して下さい。
約五年間使い続けた結果、走行中の振動や抜き差し時の摩擦の影響でか、ブラケットにはめ込む部分が摩耗して走行中にグラグラ動くようになってきました。ここはケースと一体になっているので交換出来ません。どうせならハンドル側のブラケットの方が摩耗してくれれば数百円で交換が効いたのですが・・。
ぐらついた状態でだましだまし使っていましたが、やはり振動の影響でか、ついにロックレバーの根元が折れてしまいました。これでは走行中に落下する危険もありえます。
もう脱着はあきらめ、強力な接着剤でもってハンドル側のブラケットとガッチリくっつけてしまう手も考えましたが、それは最後の手段としてとっておき、別の延命策をやってみる事にしました。
HL-EL135の前に1ヶ月ほど使っていたHL-EL130は明るさがやや劣るため、135購入後はあまり使っていなかったのですが、先端部分のLEDユニットや透明レンズを除けばほぼ同じ外装パーツが使われていて、裏面にも130と135の両方の形式が刻印されています。この130をバラし、外装を135に流用してみよう、というわけです。
まずLEDを覆っている透明レンズのパーツを外します。固定用の爪は透明パーツの正面から見て左右のやや下側にあります。
爪を片側ずつめくるよう力を入れながら、少しずつズラしてゆきます。
片側が外れたら、反対側もすぐ外れます。
透明パーツが外れたら、銀メッキされたLEDユニットがあらわになります。ただしスイッチ用の黒いリード線が2本つながっているので、無理に引っぱるとちぎれてしまいますので注意。
あとはハンダごてを駆使してLEDユニットを付け替えれば完成!となる訳ですが、このままだとリード線の余裕がなさすぎて作業が困難。
そこで交換作業をしやすくするため、もうひと手間加えます。
LEDユニットから伸びるリード線は、電池ボックス中央にある仕切りの中を通って、後端の操作スイッチまで伸びています。このパーツを引きはがせば、リード線もいくらか自由になるのです。
スイッチ部分の分解はさほど力は要りません。ゴムとプラスチックの隙間を広げるように指でこじると、左右の爪が外れ、中央の仕切りといっしょに分離出来ます。
これによってリード線の引き出しに1センチほど余裕が出来ます。
さらに途中1カ所、トンネルになっている部分にニッパーで切れ目を入れてリード線を抜き出せば、ほぼ全部の長さが引き出せます。
これで余裕をもって交換作業が出来るはずです。
黒いリード線を付け直し、操作スイッチと仕切りのパーツを元に戻します。
そして電池をセットしたら、基板の両端にあるパターンを、電池ボックス側の端子と接触させ、点灯テストを行います。
もし断線などが起きていたら、またイチからバラす羽目になりますからね。
ちゃんと点くのを確認したら、全パーツを元通りにはめ込みます。
途中リード線を挟み込んだり、せっかく付けたハンダがモゲたりしないよう、十分注意しつつ作業します。
夜間走行をした後、ライトを消そうとボタンを長押ししても、完全に消灯しなくなっているのに気付きました。明るい場所では気付かない程度にほんのり点く状態が続き、電池を抜かない限り消えません。いつからこうなっていたのかは不明ですが、オンでは正常に動作してくれます。
かつてテールライトでも同様の現象が起きた事がありますから、この手のLED回路にはありがちな故障なのかもしれません。このまま置いておいても電池を消耗させるだけですし、使う時だけ電池を入れるのも面倒なので、これを機にこのライトはお役御免となりそうです・・。
ダイソーの自転車コーナーで見つけたLEDライト。色といい形状といい、どう見てもKnogのパクリです。
取り付けも本家Knogと同様にゴム部分をハンドルなりシートポストなりに巻き付けてフックでひっかけるだけ。上面を押せばスイッチが入り、点灯・点滅(速い)・点滅(遅い)・消灯の順にループします。
円筒形のLEDユニットにシリコンゴムのカバーをかぶせただけで、隙間もガバガバ。水濡れにはほとんど配慮されていません。パッケージにも防水ではありませんと堂々と書いてあります。屋外で使うべき自転車用ライトがそれでいいのかよ!と言いたい所ですが、2灯式LEDにCR2032電池が2枚付いてたったの108円なんですから、贅沢を言ってはいけません。
価格の割には明るさはなかなかのものですが、LED発光体が露出しているだけで反射レンズも何もないため、路面を照らす能力はイマイチ。暗い夜道で点滅させると、運転中に手元からの光がチラついて実にうっとおしいです。
光度もおそらく前照灯としてのJIS規格(400カンデラ以上)には達していないでしょう。とりあえず昼間や薄暮時に点滅光で自位置をアピールする補助的なセーフティライトとしてなら十分使えます。防水に関しては、コーキング剤でLEDの隙間や裏面をびっちり固めてしまえば、とりあえず付属の電池が切れるまでは持ってくれるんじゃないでしょうか。
こんな安物すぐにダメになるかと思いきや、点滅オンリーの使用で実に2年間も動いてくれました。使っているうちスイッチの接触がだんだん悪くなってきて何度も押さないと反応しなくなり、そのたびマイクロスイッチの分解掃除(簡単にできます)で対処していましたが、とうとう最後は新品の電池を入れてもうんともすんとも言わなくなりました。
明るさは終盤かなり落ちていましたがマーカーの点滅光としては問題ないレベルで、途中電池交換はついに一度も行いませんでした。108円でこれだけ使えれば十分でしょう。
2代目は点滅機能を持たないLEDヘッドライト本体に直接くっつけてみました。ループの長さがメインライトの胴体にはめ込むのにぴったりで、後はおしりを輪ゴムで留めるだけでお手軽グレードアップの完成です。
キャットアイ製のハンドルブラケットに、手持ちの懐中電灯などを取り付け出来るアダプターを買ってみました。
自転車関連のグッズを小規模生産で販売している、ゆるふわーくすという所の製品。
ABS樹脂で、最近流行の3Dプリンターで作られています。
これにキャットアイのブラケットスペーサー(544-5330)を付属のビスで取り付ければOK。
強度を保つため、密着する部分に瞬間接着剤を塗布するよう指定されています。
アダプターパーツの穴にタイラップを通し、懐中電灯などの器具を固定すれば、オリジナルなライトが作れる、という訳。
こうすれば、入手が容易で比較的安価な懐中電灯のLEDライトも、自転車用に使えるようになります。
この手のパーツは他にもありますが、たいていマジックテープなどを使っているため固定感に欠け、でこぼこ道を走ると脱落する可能性もありますので、より確実に固定出来るのはありがたいですね。