現在運用しているシボレーFDB206とクロスバイクのESCAPE R3において、サドルバッグの中に常備している携行ツール類を紹介します。
自転車走行における最大かつ最多のトラブルはパンク。これに対抗する最も確実かつ簡単な方法は修理セットの携行と、それを使いこなす経験を得ておく事でしょう。
百均で売っているパンク修理セットを基本に、中身を品質のいいものと入れ替えたり追加したりしています。百均セットはその中身はさておき、ケースのサイズがちょうどいいのです。
チューブに貼り付けて穴を塞ぐパッチは小さめのものを2〜3枚。パッチにも賞味期限があるようなので、何年も使わずに台紙や保護フィルムがボロボロになってきたら順次新品と入れ替えます。
ゴムのりもなるべく未開封の新品を入れるようにしています。チューブの封を一度開けてしまうと、キャップをしっかり閉めたつもりでも少しずつ成分が揮発してゆくので、次にパンクした時(数ヶ月〜数年後)に開けてみたらカラカラに乾いて使い物にならなかった・・なんて事がよく起きるからです。
もちろん使い残しを持っていてもいいですが、用心棒として新品も一緒に入れておくのがいいでしょう。
チューブ表面をこすって荒らすための紙やすりは200〜300番くらいの粗めのもので、数センチ角の切れっぱしがあればOK。この紙やすりにも実は寿命があって、何年もずっと入れっぱなしでいると走行中の振動や湿気の影響で台紙から粒が剥がれ落ち、ただの紙になってしまっている事があります。
フォールディングバイクやママチャリに使う英式バルブ用の虫ゴムや小物パーツも入れておくと、意外と役立つ時があります。
「いやいや俺は仏式バルブのロードバイクにしか乗らないからそんなの必要ないよ」と思った人、作者は以前、いたずら者にバルブを抜かれ、お家に帰れず困っていたJKの自転車をこれで直してあげた事があります。・・ほら、持とうって気になったでしょう(笑)。別に邪魔にはならないですし、日本国内の自転車の大半は英式バルブなので、それでいざという時の人助けになれば、自転車野郎の株も上がろうというものです。
タイヤに大きな切り傷が出来てしまう事がまれにあります。中でも厄介なのはタイヤの側面をざっくりと切ってしまう通称サイドカットで、タイヤの傷口からチューブが飛び出し、ほとんどの場合自走不能に陥ってしまいます。
タイヤには高い強度が求められるので、普通のパンク修理用パッチでは圧に負けてしまって塞げません。そんな時は繊維が織り込まれた内貼り用タイヤパッチの出番。もっともタイヤ切れなんてそうそう起きませんから1枚あれば十分でしょう。
昔の自転車ツアラーは古タイヤの切れ端を常に携帯していて、タイヤの傷口の裏に当てがって空気圧で保持するという応急修理法をやっていました。念のため細身の700Cの古タイヤを数センチに切ったものも入れてあります。
リムからタイヤを引きはがすタイヤレバー。2005年頃から自転車趣味を再開してこのかた、ずっとパナレーサー製のグレー色のレバーを愛用しています。
SCHWALBE製の青い小判形はコンパクトにまとまり、携帯しやすいです。ただし使いやすさはパナの方が上ですね。
パンク修理道具が揃っていてもエアポンプ、つまり空気入れがなければ何の役にも立ちません。それぞれ自転車の性格に合ったものを選んで、邪魔にならない場所に取り付けておきます。
英式バルブのタイヤを持つママチャリやフォールディングバイクには5気圧以上の圧力は必要ないので、百均で売っている安価なものでもOK。
現在の作者はMTB用エアポンプを使っています。高圧タイヤには向きませんが、一度に多くの空気を送り込めるので短時間で充填が可能。それにスポーツ用の小型ポンプは大抵フレームのボトルケージ台座を利用して取り付けるブラケットが付属していますので、持ち歩くのにも便利なのです。
いっぽうクロスバイクやロード系のタイヤはある程度の高圧が要求されるので、ポンプもそれに適したものを選びます。経験上本体の直径が細いほど(つまりピストンのサイズが小さいほど)圧力を高めやすい傾向があります。いわゆるパスカルの原理というやつです。
注意すべきは、例えばカタログに「空気圧160psiまで可能」と書いてあっても、その最大値まで到達するには膨大なポンピング回数と尋常ならざる腕力が必要で、あまり現実的な数字じゃない場合が多いです。カタログ値は話半分とまでは言いませんが、話3分の2くらいに捉えておいた方がいいですね。
パナレーサー製の英式バルブクリップ。スポーツ用途の小型携帯ポンプはほとんどが仏式・米式バルブの二種類にしか対応しませんが、これがあれば一般のママチャリにも空気を入れられます。狭い隙間に突っ込めるので小径車や子供用自転車、プラスチックホイールの一輪車でもOK。
出先で他人のパンクに出くわす機会は意外とあるもので、せっかく修理道具を持っているのに空気入れのノズル形式が合わないせいで直してあげられなかった、なんて悔しい思いをせずに済みます。
grunge(グランジ)製のポンプアダプター、つまり携帯用エアポンプの延長ホースです。高い空気圧が必要な700Cタイヤの場合、これがあると大変便利なのです。
ホムセンで売っている普通のL型六角レンチのセット。サイズは6ミリ、5ミリ、4ミリ、3ミリ、2.5ミリ、2ミリの6本あれば、ほとんどの部分をカバー出来るでしょう。1本百円程度のを車体に合わせて適宜揃え、バラけないよう輪ゴムで束ねて収納しています。
六角レンチやドライバービットがセットになって自転車用と称して売られているマルチツールの類をいくつか買ってみた事がありましたが、小さくて回す時に力を込めにくく、工具としての精度もあまりよくなくて実用性に欠けるものばかりで、せっかく買ったのに出番はほとんどありませんでした。工具は専用品でなくともホムセンで売っているやつで十分。車体に合わせて内容を選べるし、価格も安いです。
英式バルブのナットを回すための10ミリを始め、キャップボルトに特化していないママチャリ系には必須のサイズである8ミリ、9ミリを一揃え。
組み立て式のプラス/マイナスドライバーは特に買ったわけではなく、工具箱の隅に転がっていたものです。たぶん元はオートバイ用の車載工具か何かでしょう。
このような一般工具を自転車の布製サドルバッグやツールボトルに入れっぱなしにしておくと、想像以上に早くサビが出るので、ジップロック的なビニール袋に入れておくのがいいです。
700Cサイズの中古のスペアチューブ。クロスバイクのESCAPE R3限定の装備です。
クイックハブを備えていない車種(ママチャリやフォールディングバイクなど)は出先でのホイール脱着が難しく、チューブ交換はあまり現実的でないのでスペアチューブは持ち歩きません。
これはさしずめ人間用のパンク修理セットです。骨折するほどの大ケガは別にして、擦過傷程度ならすぐ手を打てるよう絆創膏や包帯などの用意があった方が、思いきり走れるというもの。
これらはオートバイのツーリングや野歩きにも持って行きます。
内容は、絆創膏をサイズ別に数枚、傷口をぬぐう消毒綿、傷口に当てる滅菌パッド、包帯、固定用のサージカルテープ、小型のハサミなどです。
自転車で派手にコケるとたいてい衣服が裂けるので、簡単な裁縫セットも入れてあります。こんな風にパッケージになったのでなくても、厚紙等に綿糸を巻きつけて縫い針を刺しただけでもいいですね。
これらをまとめて、防水のジップロックに入れて密封します。それでも絆創膏などは結構早くダメになって、いざ使おうとするとボロボロになっているのがあります。マジックペンで買った日付を書き込んでおき、年に1回は中身をチェックし、古くなった物からどんどん交換します。最近はコンビニや百均でもいろんな救急用品が売っているので、入手は容易でしょう。
これを持ち歩いていると、自分よりも他の誰かを手当てしてあげる場合がずっと多い印象です。一番出番が多いのは普通サイズの絆創膏と消毒綿。
ズボンの裾をチェーンで汚さないための固定バンド。自転車店に行けば専用品と称していろいろ売っていますが、たかがマジックテープバンドなのに価格が妙に高いし、さらに長さが中途半端だったり、素材が固すぎて小さく収納しにくかったり、デザインにこだわるあまり左右の区別があるなど、意外と使いにくいものばっかり。よい点は反射テープがついている事くらいです。
作者はもっぱら野球用のストッキングガーターを愛用しています。軽くて伸縮性に富み、マジックテープの脱着を繰り返してもケバケバになりにくく、ほぼ全面にわたって固定出来るので、たとえば荷物の仮固定などいろんな用途に使えます。どこでも入手しやすく、しかも安い!
LED LENSER製の小型ライト、V2 MICRO(現在は廃版)。電源は単四乾電池1本ながら、手元照明としてかなりの光量が得られます。日が暮れてからのトラブルやちょっとしたメモなど、街灯もろくにない田舎道では必須の装備です。
自転車本体に付けてある電池式LEDライトよりもうんと小型軽量なので、口にくわえて両手を自由に使えるのがいい点です。耐久性は作者の仕事(電気工事、夜間の代行運転業等)で数年間使って確認済み。ただし防滴仕様ではないので長時間口にくわえているとスイッチ部分に唾液が浸透して腐食する事がありますので、ゴム製の指サックをかぶせています。