乗ってるのがママチャリだけなら携帯用ポンプでも十分ですが、クロスバイクやロードバイク、MTBなどのスポーツ車をきちんと運用するためにはフロアポンプは必須の装備と言えます。
TOPEAK製のジョーブロー・スプリント。クロスバイクESCAPE R3の購入とあわせて、高圧なタイヤにも対応出来るよう導入しました。
仏式と米式に対応した頑丈な2つの独立ノズルを持ち、アナログメーターでチェックしながら160PSI(11気圧)まで充填出来ます。TOPEAKではゴムパッキンなどの消耗パーツがカタログにラインナップされているのも心強い点。
付属のトンボグチを米式ノズル側に装着する事で一般的な英式バルブにも対応可能となりますが、この純正のアダプターはあまり出来がよくなく、空気圧に負けて途中でスポンと抜けてしまったり、子供用自転車の小さな樹脂製ホイールにはヘッドが邪魔で差し込めなかったりと、イマイチ使い物になりませんでした。
今はパナレーサー製の英式バルブクリップに差し替えて使っています。これは米式ノズルへの食いつきがよく空気圧に負けず、小さな隙間のホイールにも入れやすいので便利です。
新品で購入後、ずっと問題なく使えていたジョーブロー・スプリントでしたが、3年めの2011年になってからわずかに空気漏れが目だつようになってきました。具体的には、TOPEAK製のツインヘッドと呼ばれるレバー切り替え式ノズルにおいて、注入している反対側の口からシューっと少しずつ空気が漏れ出てくるのです。
圧力メーターの指針もじわじわ下がりますが、あらためてポンプすれば圧はしっかり上がるので、別途エアゲージで個別に測るようにすれば数値的にも問題ありません。しかし空気圧を補充するたびに毎回やるのは面倒と言えば面倒ですし、そもそもポンプのノズルから空気が漏れるという事自体が、何とも気持ち悪いです。
ポンプのヘッド部分を分解してみると、仏式と米式を切り替えるレバーに連動したカムに、黒い粉のようなカスがついていました。
このカムに押される切り替えプランジャーは樹脂製で、よく見ると内壁の両側が金属製カムに押されて変形し、当たり面も削れてミゾのようになっています。おそらくこのためにパッキンがしっかり閉じきらず、気密性が悪化していたのでしょう。
TOPEAKもさすがにこの部分のみの補修パーツは出しておらず、ヘッド丸ごとの交換になるようです。
どうせ交換するなら新しいタイプにしてみようと思い、新設計のスマートヘッドにしてみました。今までのツインヘッドと違い、ひとつのノズルで米仏両方のバルブに対応出来ます。
接続用の口金が何種類か同梱されていますが、ジョーブロー・スプリントの場合はホースの根本から丸ごと差し替えればいいので、特に必要はありません。ホースを固定している黒い樹脂製のスクリューパーツを回して外し、ホースを抜き替えるだけ。ポンプ側のパイプ部分は樹脂製ですので無理な力をかけないよう、そうっと回しながら慎重に。新しいスマートヘッドキットのホースを差し込み、元通り締め込んだら作業終了。
ちなみに補修パーツとしてスマートヘッドの「ヘッドのみ」も売っていますが、根元のジョイントパーツが特殊なのでツインヘッドとは直接すげ替え出来ません。
さっそく使ってみたところ、レバーを起こしてバルブをギュッとくわえ込む時の確実さはツインヘッド以上です。しかも中にあるピンがバルブの弁棒を深めに押してくれるようで、作業が速くなりました。普通はヘッドをセットする前にバルブの弁棒を指で押すなどしてシール部分の張り付きを取り除く作業が必要ですが、スマートヘッドはセットすると同時に弁が開き、同時にメーターもピュッと跳ね上がり、そのままポンピングに移行出来ます。
欠点としては、ヘッド内部の空気通路が細いせいか、ポンピング時の押し込みが重くなりました。あとレバーをたたむ時にかなりの勢いでバシッと戻りますので、指先をはさまれたらちょっと危ないですね。指でレバーをしっかりつかみ、じんわり戻すようにします。
2011年4月追記 現在TOPEAK製のフロアポンプは全てスマートヘッド仕様になっています。ツインヘッドは過去の物になってしまいました。
スマートヘッドにしてから半年。最近、車やオートバイの米式バルブにセットしようとした時、バルブ内部の弁棒がうまく押されずに空気が入れられない事が時々あります。今まではバルブに差し込んだだけで弁棒が押され、シュッと音がして空気の経路がつながっていたのですが、いくら押し込んでもうまく行かない事があるのです。セット前に工具で押してシールの張り付きを取り除いても結果は同じ。新品の時と較べるとノズルのゴムパッキンの内側が少し削れてきているので、もしかしたら弁棒を押すピンを保持する力が低下してきたせいかもしれません。一方で仏式バルブでは全く問題なく使えているのが不思議です。
とりあえず次善の策として、まず黄色いレバーを少し引いて内部のピンを半固定状態にしておき、その状態で米式バルブに押し込むと、正常にシュッと空気が出てくれますので、そのままレバーを引き上げて固定しています。
そのうち摩耗したパッキンを新品に交換してみる事にします。
口金やパッキンがセットになっているスマートヘッドリビルドキットを買って、内部パーツを入れ替えてみました。スマートヘッドに換えてから約1年間使った内部パーツを新品と比較してみると、スプリングが短く縮み、ゴムパッキン手前の米式バルブを受け止める部分だけがささくれて摩耗しているのがわかります。交換後はバルブ接続が新品の時と同じ感触になり、快適さが戻りました。
2014年7月30日追記 パーツ交換して2年ちょっと経ちました。またささくれや角部分の摩耗が発生していますが、使用感は特に問題ありません。以前は仏式・米式ともにそのままヘッドを差し込んでいましたが、交換後はヘッドを差し込む前に、バルブの弁棒を指で軽く押してシールの張り付きを毎回除去してあげるクセがついたので、ヘッド部に無用な負担がかからなくなったせいもあるでしょう。
このポンプがとても安定して使えるのは、底部にしっかりした鉄製のベースが仕込まれているためです。ただし錆びやすいのが欠点。戸外の車庫などに置いておくと、半年くらいでもうポチポチと錆びが出始めます。特に下が土だったりすると、一晩で裏側に水気がたまってしまいます。
ひどくなったら、ヤスリなどで錆落としをしたのち、ラッカースプレーで再塗装です。鉄製ベースは底にあるキャップボルトを三本抜けば簡単に外せます。
底部にはシリンダーの空気を止めておくパッキンやスプリングが仕込まれています。ここも時々はチェックして、必要なら給脂もしておきましょう。
自転車に限らず、空気注入式のタイヤはどうしても圧力が少しずつ減っていくので、定期的な空気圧チェックが必要です。なぜかというと、ゴムにはごくわずかに空気の分子を通過させてしまう性質があるためです。そこでタイヤ内の空気圧を直接測るためのエアゲージが必要になってきます。
このパナレーサー製デジタルエアゲージは仏式と米式に対応し、測定単位もkg/m2・PSI・BAR・KPaの4種類に切り替え出来て、オートバイや車のメンテにも使えるので重宝しています。
2016年6月7日追記 最近フロアポンプのメーターとの数値が大きく食い違うので、同じタイヤで何回か連続して測ってみたら数値が大きく上下します。電池を新しくしても変化なし。お店で訊いたら校正は出来ないとの事で、また新しいのに買い替えるしかなさそうです。新品で買ってから6年ほどでした。
ママチャリのタイヤを筆頭に日本国内で最も普及している英式バルブですが、そのシンプルな構造が災いして、外部からタイヤ空気圧を直接測れないという欠点があります。この英式バルブに使われている標準的な虫ゴム付きのプランジャー(金属製の中子)を、最近ホムセンでもよく見かける虫ゴム不要のスーパーバルブに取り替えておけば、英式アダプターの兼用口金先を使う事で空気圧の測定が可能になります。
米式バルブに対応したエアゲージに英式アダプターノズルをあてがって、バルブの口にグッと押し込めば、差し込まれたノズルの先端がスーパーバルブの奥にある開閉弁を押し下げる働きをするので、中の空気が出てくるという仕掛け。これでママチャリや子供用自転車の空気圧管理もバッチリ!
ただし注意すべきは抜く時です。バルブ側にノズルの先端がはまり込んで残ってしまいやすく、中の空気がブシューッと大量に漏れてしまいます。ですので測り終わったらアダプターごとつかんで素早く引っこ抜きましょう。
スーパーバルブはいろんなメーカーが独自に作っており、内部構造に関するきっちりとした規格はたぶん決まってないだろうと思われます。ですので、もしかしたらこの方法では空気が外に出て来ないタイプもあるかもしれませんので注意して下さい。
2015年7月30日追記 最近のスーパーバルブ、特にSCHWALBEなど海外製品ではバルブ注入口の内径がやや大きいものがあり、この方式のアダプターでは隙間が出来てしまい、うまく使えない場合があります。
スポークホイールを組んだり修正する時に使う振れ取り台です。くの字になっている棒はセンターゲージで、リムが車軸の中心線にあるかをチェックするための測定器。
最近は完組ホイールと言って最初から出来上がっているホイールが安価で入手出来ますので、わざわざ手組みをする人は少ないようですが、昔はみんな部品をバラで買ってきて自分で組んだものです。安物自転車はたとえ新品でもセンターがずれている事が多いですから要チェック。
自転車屋さんに置いてある鉄製のプロ仕様は何万円もしますが、作者のはミノウラ製のTrue Proというアマチュア向けの軽くて簡単な物で、価格もセンターゲージとのセットで1万円以下。当然精度もそれなりですが、センターゲージの扱い方さえちゃんと心得ておけば、振れ取り台自体の精度はそれほど重要ではありません。可動式のクワガタ状のガイドはあまりアテにせず、横ブレの目安程度にするのがコツ。どんな道具も使い方次第です。
あり合わせの木の板で、ハンドルを支える倒立式スタンドを作ってみました。自宅で簡単な整備をする時に重宝しています。ハンドルを置く部分はV字に切れ込みを入れてあり、左右の幅は40センチくらい。ホイールチェックや掃除、チェーンの注油など日常点検に便利です。
ツーリング先でのパンク修理でもたいていこうやって上下逆にひっくり返してから行うのが常ですが、その時邪魔になるベルやホルダー類をハンドル上面からズラす必要があります。でもこのスタンドがあればそのまま簡単にひっくり返せるので楽です。
ただしチェーンにかかる力が上下逆転するせいか、この状態でうまく調整しても通常走行ではチェーンが当たってしまう場合もあるので、そのあたりは注意が必要ですね。
クロスバイクのESCAPE R3は立てた状態でペダルが回せないセンタースタンド式なので、チェーン注油やギア調整などのメンテナンス時に不便です。そこで正立状態で保持出来るようなスタンドを自作してみました。
作りはごく簡単、工事足場用の単菅パイプを専用の金属ベースで木版に立て、金属板の切れっぱしを曲げたフックを現物あわせでネジ留めしただけ。ここにチェーンステーとシートステーの2箇所を引っ掛けます。材料費は1,500円ほど。
市販品もありますが、「自転車 スタンド 自作」でネット検索すれば、いろんな作例がありますので、試してみて下さい。
車に積み込む時に使うスタンドを作ってみました。余っていたホイールのハブシャフトを抜き出し、1メートルほどの角材にL字金具で固定しただけの、ごく簡単なものです。
もっと簡単にクイックシャフトと適当なパイプだけでも作れますが、車体の重さがかかるエンドの内側部分には通常のハブと同じ太さのシャフトがあった方がいいかなと思い、使っていなかった中古ホイールのシャフトをそのまま再利用しました。
作り方は難しくないですが、運搬中の荷重に耐えるにはL字金具にもある程度の厚みが必要で(今回は2.4ミリ)、これに直径9ミリのアクスルシャフトが通る穴を開ける作業では、電動ドリルがないとちょっとしんどいです。