サドルを薄めのスポーツタイプのものに換えてみました。シマノプロというブランドのホークという製品です。
シマノなので日本製かアジア圏製かと思いきや、裏面にはMADE IN ITALYの刻印が。おそらくどこかのサドルメーカーにOEM委託しているのでしょう。
最近サイクルパンツを買って、長い距離を走る時にはいつも愛用しているのですが、純正サドルだとペダリング時に内股がこすれて、あまりいい感触ではないのです。そこでもう少し細身のサドルにしてみようと思い、見た目がいかにもレーサーっぽいこれを選びました。
純正サドルと比較すると、ホークサドルはびっくりするほど薄っぺら。当然クッション効果もそれに比例しており、普通のジーパンをはいて街乗りすると路面からの突き上げがかなり気になります。ある程度以上の距離を走るには緩衝パッド付きサイクルパンツ着用が必須条件となるでしょう。
そのかわり、R3純正サドルが実測408グラムだったのに対しホークは300グラムと、かなりの軽量化になりました。
1日に20〜30キロの距離を走るのが習慣になってきた2〜3年くらい前から、サドルの表皮側面に劣化が目立ってきました。小さな亀裂がいくつか発生し、特に内股部分の左サイドは大きく割れてめくれ上がり、角が内腿に擦れるようになってきました。このまま使っていると、せっかくのサイクルパンツもほつれて穴があいてしまいそうです。
同程度の新品に交換する事も考えましたが、何しろここは安物自転車との生活を謳歌するサイトなので、いつもの通り悪あがきをしてみます。
セメダイン社の弾性接着剤スーパーX2をめくれた部分の裏側に塗り込んだ後、上から黒いビニールテープに若干のテンションをかけつつ、じっくり巻いてゆきます。
ワイヤー(金属製の支持レール)の内側にはテープ巻きが入れられないので、30センチ程度にカットしたのを何度も重ねるように巻き付けます。そのさいテープが摩擦でめくれないよう、端がサドルの裏側になるよう調整します。
テープを巻くのは革がめくれないよう強度を保つためと、接着しただけでは表面の割れ目はなくならないので、押しつけて平らにならす意味もあります。これと同じような補修をしている人を街中でもたまに見かけますね。
実はこの補修は一昨年の同じ時期にも一度やっていて、約2年間テープの剥がれもほとんどなしに問題なく使う事が出来ていました(見かけの悪さはともかくですが^^;)。ただし場所が場所だけに、どうしても摩擦でテープの粘着がズレて来るので、年に一度は巻き直す必要があるかもしれません。
ちなみにホークサドルの特徴でもあった鷹のプリント模様は、この5年弱で作者のお尻と擦れあってすっかり摩耗し、ほとんど目立たなくなってしまいました。
作者の本業である電気工事作業において、ビニールテープは日常もっとも多く消費する部材のひとつですが、実はモノによって品質の差がかなりあって、しっかりした補修を行いたい場合にはテープ選びに注意が必要です。ガテンな工事屋が通う電材店に常備してあるものがいいですが、普通の人はちょっと入りにくいでしょうから、一般的なホームセンターでなるべく高めのもの(1巻100円前後)を買っておけば安心でしょう。安価なお徳用パックは大抵品質が悪く、粘着面がテンションに負けてズルズル動いてしまい、耐候性も低くてイマイチ役に立たない事が多いんです。
8年近く使い倒し、剥がれやひび割れが進行してきたホークサドルに替えて、新しいサドルを入れました。サドル大手メーカーVELOのVL-4283というモデル。
平面形や厚みは先代のホークとほぼ同じ。見た目で違うのは中央部分に会陰圧迫を逃がすための穴が設けてあるのと、先端の首部分が10ミリ少々短い点です。あと座面が丸くラウンドしていて、ホークよりも平らな面が少ないですね。
穴に関しては、R3純正や先代のホークサドルでも同じ目的で中央部分が少しくぼんでいたためか、会陰を圧迫されて辛く感じた事はこれまでも特にありません。これのように裏側まで貫通するほどの穴は必要ないのではって気もしますが、今時の流行、デザインのアクセントって所でしょうか。
ちなみに重量は実測345グラムと、大きな穴があいている割には300グラムだった先代ホークよりもやや重くなりました。それでも純正の408グラムよりは軽く仕上がっています。
VL-4283は緩衝ゲルパッドが中に仕込んであり、長距離向きと謳われています。指で押すと表面はフワッとへこみ、沈むに従ってグッと粘りが出る感じです。
先代ホークに比べて表皮にしなやかさがあり、指でグイと押し込んだ部分だけめり込むのが特徴的。一方ホークはへこみがすり鉢状に広がり、表皮の厚さや硬さを感じます。表面の摩擦はツルツルだったホークよりもかなり強めです。
交換後、ポジション出しで近場を80キロほど走ってみましたが、ロングライドと銘打つ割にはクッション効果はさほどでもないなと感じました。ツボにはまれば包み込まれるような快適さを見せますが、きちんと位置調整をしないと坐骨部分が擦れてジンジンしてきます。ホークよりも表皮の摩擦が強いので、お尻が一箇所にとどまってしまうためでしょう。それと平らな面積が狭く、受け止める範囲が小さいせいもあるかもしれません。作者の場合、ホークよりも高さを数ミリ下げ、ごくわずか後方に傾けてみたらグッとよくなりました。
サドルは人によって相性の差がもっとも大きく出るパーツで、ハンドルの高さ・ステムの長さによっても印象が変わります。先代のホークも最初はどう調整しても痛みが残っていたのを、8年間も使って「尻慣れ」してきた経緯があるので、このVL-4283にもそのうち慣れるでしょう。
現状で一番よかったと思えるのは、信号待ちなどでサドルの前に腰を落として足を着き、スタート時に再び腰を持ち上げる時、これまではサドルの先端にサイクルパンツのお尻の布地がひっかかってしまう事がよくあったのですが、首が短くなったぶん、ひっかかりにくくなった点です。
2017年2月10日追記 このサドルにしてから2千キロ少々走り、当初の違和感はほぼなくなって、座り方をいちいち気にする事もなくなりました。人間の適応力って素晴らしいですね!
路面からのショックを緩和するサスペンション機能付きシートポスト(KALLOY製・SP380)はESCAPE R3の特徴でもありますが、車体に慣れて来るに従い、体重がグッとかかった際に微妙に着座位置が動くのに違和感を感じるようになりました。下端にあるダイヤルで沈み込みの強弱を調整し、動きにくくする事も可能ですが、それなら普通のソリッドなシートポストの方が重量的にも有利です。
それと今の430mmサイズのフレームは、一応店先で展示車に乗って決めたサイズでしたが(静止状態でまたがっただけ)、実際に路上で走っているうちに前後方向に窮屈さを感じるようになり、サドルの位置をもう少し後退させたくなってきました。しかし純正のサス付きポストは垂直方向の可動を考えて設計してあるためか、オフセットがあまり付けられません。
あと、詳しくは書きませんが純正には防犯上の欠点もあるのです。
そうして色々考えた結果、シートポストの交換をする事にしました。
購入したのはFoglia製のSP-LT1。一見するとごくノーマルな形状の軽合金製ポストですが、後方に向けて三連LEDのテールライトが内蔵されています。
重量は335グラムとシートポストとしてはやや重たい部類ですが、純正のサス付きポストが実測400グラムちょうどでしたから、そこそこ軽くなってくれました。
これのおかげでサドルをやや後ろに持って行く事が出来、いくらかではありますが乗りやすくなりました。あとはハンドル部分でポジション調整する事になります。
点灯モードは常時、一斉点滅、順次点滅の3パターン。高輝度LEDなのでよく目立ちます。
発光部の周囲の赤い部分に反射加工がされています。
電源の単三乾電池を2本内臓。
ちなみにこのシートポスト、ブランドタグはFoglia(フォグリア)とありますが、シートポスト本体にプリントされているUNOのロゴや鳥の頭を模したマークはKALLOY製品に特有のもの。ひとつの製品に複数のブランド名が交錯するのは自転車業界ではありがちな事です。
ESCAPE R3のシートポスト径は27.2ミリです。購入時は必ずサイズを確認しましょう。
2008年5月27日追記 このLEDテールライト、購入して一週間も経たないうちに壊れて光らなくなってしまいました。反射器の機能もあるので全くのムダにはならないですが、安物なりのクォリティだったという事でしょうか。
購入直後にまったく光らなくなったLEDランプ、反射器の機能もあるのでそのまま放置していましたが、ネジ止め部分に亀裂が入ったり、樹脂が反ってポストとの間に隙間が出来ており、雨水や後輪が跳ね上げた水がここからフレーム内に侵入するのでは・・という懸念も出てきたため、もう思い切って取り外してしまう事にしました。
しかし単純にテープで巻いてしまうと開口部が凹んでしまって格好悪いなあと思ったので、アルミ缶を切って適当なフタを作り、その上から白いビニールテープを巻いてみました。
手作り感いっぱいですが、とりあえずスッキリしました。
SP-LT1はその構造上、後退角(サドル先端を持ち上げる)がほとんどつけられない欠点がありました。ダウンヒルMTBみたいに空を見上げるような角度にする必要はありませんが、あとちょっとでいいから下がって欲しいのに!とじれったい思いをする事は時々ありました。
そこで今回LED除去のついでに、構想していた可動域拡大のための改造を施してみました。といってもボルトが通るスリットの端っこをヤスリやモーターツールで1〜2ミリ削ってあげるだけです。アルミ合金なので、ホムセンやプラモ屋で手に入る金属工作用のヤスリがあれば割と簡単に切削出来ます。
加工後は、ほんのちょっとですがサドルの角度の自由度が増しました。
ESCAPE R3の純正シートクランプはクイックレバー式で、工具を使わず簡単に上げ下げが出来る親切設計。反面、誰でも気軽にいじれてしまうため、サドルの盗難やイタズラが心配になります。
そこで六角レンチで締め込むシートクランプと交換してみました。素手では絶対外せないので、いくらか安心して駐輪出来るようになります。
もちろん泥棒に工具を使われたら意味がないですが、今のスマホ全盛時代、どこから誰が見ているかわからない中、他人の自転車に持参の工具を突っ込んでガチャガチャいじるには相当なリスクがあるはずで、抑止力としても有効かと思います。価格も千円前後で、外見もスマートになるのでオススメ。
ESCAPE R3のシートチューブ外径は31.8ミリです。購入時は必ずサイズを確認しましょう。