通算5回目のタイヤ交換です。今回はネット界隈でも比較的評価の高いパナレーサー CLOSER PLUSというモデルにしてみました。
トレッド面直下に異物の貫通を抑止する耐パンクベルトを内包しているのが特徴。カタログによれば純競技用と練習用との中間に位置するミドルグレードとあります。
表面には溝が一切入っておらず、細かいザラザラ模様がついているだけのスリックタイプ。
CLOSER PLUSのタイヤ幅は20C、23C、25Cの三種類あって、この中からESCAPE R3では初めて使うサイズとなる25Cをチョイスしました。最近は本格レースの現場でもこの25C幅が主流なんだそうです。
ビード材質はアラミド(ケブラー)で実測225グラム(カタログ値は220)と軽く仕上がっており、先のDETONATORと比べて前後セットで135グラム、磨耗する前の新品時比較では175グラムも軽くなりました。ホイール外周部でこれだけダイエット出来れば走行フィーリングも大きく変わる事でしょう。
さっそく装着して街中を少し走ってみました。タイヤサイドの刻印には推奨空気圧6.3〜9.8bar(≒気圧)とあったので中間の8気圧にしてみましたが、前のDETONATOR 28Cよりも細かなショックが体にガンガン伝わって来て、荒れた田舎の舗装路ではあまり快適とは言えません。次はもう少し圧を落として乗ってみようと思います。
そのかわり滑らかな路面での走りはとても軽くスムーズ。カーブ中のグリップ感も手のひらによく伝わってくるので安心感があります。耐パンクベルトがどれほどの仕事をしてくれるかはまだわかりませんが、まずは価格以上の満足感のある第一印象でした
車やバイクで溝のなくなった磨耗タイヤを使うと、雨の日に接地面の水がうまく抜けず、路面から浮き上がって摩擦がゼロになってしまうハイドロプレーニング現象が発生しやすくなるのは今や常識、よって自転車と言えども溝のないタイヤで走るのは危険じゃないの?・・と考えるのが一般的な感覚かと思います。
しかし自転車の場合、タイヤの接地面積が車よりはるかに小さく、単位面積あたりの接地圧も高いため、理論的には時速200キロ以上にならないとハイドロプレーンは発生しないと言われています。雨の日にそんな猛スピードで走る人は多分いませんから、実用上は溝のないタイヤでも危険はありません。
いやいや、そんなにスピードを出さなくても路面のペイントや側溝のフタに乗った時によく滑るじゃないか、と言う意見もあるでしょうが、あれは単純に水で濡れて摩擦係数が低くなるためで、溝の有無とは無関係。そもそも自転車の細いタイヤで溝を設けても有意な排水効果はほとんど期待出来ないと言われています。ちなみに自転車(三輪自転車を除く)には道路運送車両法が適用されないので、タイヤの溝に関する法的規制は受けません。
では一般的なシティサイクルのタイヤに付けられた溝は何なのかと言うと、まず重要なのは交換時期を知るため、つまりスリップサインの代わりです。長期間使えば磨耗して溝も浅くなるので、タイヤをいつ替えたかわからない、走行距離すら定かでない自転車でも劣化の進行具合が一目でわかります。あとは乗り心地の改善や静音性の向上、そして見た目の安心感を生み出す効果も大きいでしょう。表面にギザギザがいっぱいあった方がいかにも滑りにくそうに見えますからね。
翻ってスリックタイプは磨耗や劣化が一見しただけではわかりにくいので、ユーザーが日頃からしっかり管理しておく必要があるでしょう。
タイヤ交換して以降あまり走れていませんが、ようやくヒゲが落ちてきました。トレッド中央の角も丸まってきたようです。
空気圧は110PSI、7.6気圧ほどにしています。
リア側に長さ2センチほどの筋状の切れ目が出来ているのを見つけました。ブレーキ時にちょうど何かの破片に乗ってしまったのでは?と推測しています。
切れ目と言っても深さは1ミリもなく、タイヤコードやパンクベルトにも達していないので特に問題にはなっていません。磨耗が進むうちに埋没して消えてしまうのを期待しています。
CLOSER PLUSは新品時からゴム表面がややベタつく印象があって、砂粒などを拾いやすく、小石も弾きやすい傾向がありますから、今後もこのような傷が増えるかもしれません。
出先での休憩中、フロントタイヤ側面にサイドカットが入っているのに気付きました。この日スパッと切れたのか、それとも古傷がじわじわ広がったものかは不明ですが、中のチューブが顔を出すほどの切れ目が出来ており、このままでは自走は困難。
手持ちの道具でどうにか応急修理をして家まで帰り着けましたが、もうこのタイヤは使用不能です。バックアップのDETONATOR 28Cと入れ替えました。
リア側はかなり磨耗して、角ばっていたセンターが目に見えて平らになってきました。しかし例の2センチほどの切れ目がつぶれるほどではなく、まだはっきりとしています。
8月17日にサイドカットが発覚したフロントタイヤは破棄し、同じCLOSER PLUS 25Cの新品を購入。入れ替えに合わせてリアをフロント側にローテーションし、リア側に新品を入れました。
フロント側は以前リアで使っていた時の段減りが消え、丸くなってきました。例の2センチほどの切れ目もだいぶ薄く、目立たなくなってきました。その他、表面に細かなヒビのようなものが出来はじめていますが、これもじっくり見ないと気づかないレベルで特に支障はなさそうです
前回新品にしたリア側は中央が少し平らになってきた程度。
ここまで前後共、貫通パンクは1回も起きていません。何かで突いたような傷はそれなりに出来ていますから、下地の耐パンクベルトがちゃんと仕事をしているという事でしょう。
フロント側のトレッドの中央から右寄りに、ほぼ一周する形で細いひび割れが出来ました。CLOSER PLUSは「亀裂が入りやすい」という噂をよく聞きますが、購入後1年の今年3月頃にチェックした時にはこんな風ではなかったので安心していたのに、その後2ヶ月で急に進行した感じです。
実はその間、春先から天候や体調の関係であまり乗る時間がなかったのも影響したかもしれません。それまでは週の半分くらいは乗って、その都度空気圧もチェックするので100PSI(6.8気圧)を保っていましたが、今日見たら50〜60PSIくらいにまで落ちていました。
亀裂はリアタイヤにも見られますが、フロント側ほどではありません。まだ使用期間が短いせいでしょう。
もうすぐ梅雨。ESCAPE R3に乗る機会はさらに減るでしょうから、とりあえずこのまま様子を見ます。また1本だけ交換するか、それとも前後まとめて交換かはおいおい考えましょう。
亀裂が進行し、リア側では内部のコードが見えるほどになってきました。走行感に変化はありませんが、さすがに替え時と判断。亀裂の多いフロントとも合わせ、新品交換します。
ESCAPE R3、通算6回目のタイヤ交換です。
純正装着のDETONATORと同じMAXXIS製のRE-FUSEという銘柄で、普段使いからトレーニングまでをカバーする普及価格帯の製品。SILKWORMと呼ばれる耐パンク構造を持つのが特徴とされています。
サイズは流行りの25Cをチョイス。ケブラービードで実測重量228/230グラム(カタログ値では235グラム)と、今まで使った中でも軽い方になります。
パターンは細かいヤスリ目で、25Cにしてはやや細め。タイヤ周長は100PSI(6.8気圧)で実測2100ミリと、先代のCLOSER PLUS 25Cよりも10ミリ短くなりました。
表面のゴム質はさほどベタつかず、ハイグリップタイヤという感じではありません。カーブでの食いつきや転がり感もごく普通で、エントリーグレードとしてはこんなものでしょう。あとは使用中に耐パンク性能がどれぐらい発揮されるか、気になるところです。
フロント側は目立った変化はなし。
リア側のトレッド中央部はパターンが消えて平らになって来ました。パンクも目立った傷もなく、よく持っています。
ここで1回目のローテーションを行いました。
約3年間、写真付きでチェックしていませんでしたが、走行5千キロを越えても目立った劣化はありません。ローテーションをするほどの摩耗差も見られず、耐久性はなかなかのものです。
この期間中、パンクは一度もなし。
よく観察するとタイヤサイドのテープに何ヵ所か剥がれが見受けられましたが、まったく問題なく使えています。
これまで使ってきたほとんどのタイヤは、トレッド面の摩耗よりも、経年によるゴムの劣化やパンク等による傷つきが主因で交換を余儀なくされていたのですが、走行条件(年間走行距離など)が同じではないにせよ、このRE-FUSEはなかなかの高性能ぶりを発揮してくれています。同じ価格帯では国内メーカーのよりも優秀なんじゃないでしょうか?
というわけで、こいつはまだまだ使えそうです。
ESCAPE R3、通算7回目のタイヤ交換です。
前回のRE-FUSEにしてから4年少々、走行5,500キロ。外観にさほど異状は見られませんでしたが、気分を変えるつもりで新品交換です。たまにはこういうのもいいでしょう。
本当はもう一度RE-FUSEをリピートしたかったのですが、2本で約1万円と価格がかなり上がっていたため、比較的買いやすい価格帯で且つ目新しいものを・・と思い、MICHELIN製を初チョイス。LITHION 3というエントリーグレードです。LITHION 2の改訂版というふれこみで登場したものですが、それから何年か経った今でもなぜか両者は併売されているようですね。
実測重量264/265グラム(カタログ値では250グラム)。リムにはめて中くらい圧を入れたらきちっとセンターが出て、精度も悪くありません。
パターンは杉目で、特にとがった感じのない丸みのある形状。タイヤ周長は100PSI(6.8気圧)で実測2110ミリ。推奨圧は73〜102PSIと、前のRE-FUSEよりも若干低めです。
杉目ですが、回転方向指定は特に見当たりませんでした。通常はパターンが狭まる方向を進行方向(>>→>>)にしますが、作者が以前オートバイで使っていたMICHELINでは逆にパターンが広がる方向(<<→<<)を進行方向に向けるよう指定してありました。まあ自転車の速度域や接地面積では、どっち向きでもまったく影響ないでしょう。
表面のゴム質は硬さがなく、アスファルトにほどよく張り付く感じで安心感があります。もっとも4年以上使ったタイヤと新品を比べると、どれもそんな感じがするのかもしれませんが。
このタイヤ最大の効果は「見た目」です。何しろ名の知れた一流メーカーのロゴが自転車についてるのですから、これに気づいた人は「ええっ、この自転車ミシュランだよ!」とみんな驚きます。もっとも歴史的には、ミシュランは自転車タイヤの製造から始まった会社なのですけどね(笑)。