スズキ Bandit250(GJ74A)
1989年10月26日、オープン直後の幕張メッセで最初に開催された第28回東京モーターショーにて発表。当初のイメージカラーはレスターテイタリアーノグリーン。
この年、スズキブースでは他にACROSSの原型であるX913やレトロモデルのSW-1などを展示。
目次
45馬力型
GSF250
セパハン初代モデル
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-100001〜 1989年12月発売
- 新車当時の販売価格
- 515,000円
- 車体色
- ブラック(019)
- パールコスメーティホワイト(15H)+グレー(フレーム)
- マーブルアドリアティックブルー(0FK)
- マーブルピュアーレッド(07P) ※ホイールが白
- レスターテイタリアーノグリーン(15C) ※ホイールが白
- 特徴
- ハンドル右側にヘッドライトのOFF・ポジションスイッチがある。
- ヘッドライト反射板の中央やや下側に穴があり、小さなポジションランプが入っている。
- メインキーシリンダーにP位置(パーキング灯)がある。
- タコメーターのレッドゾーンが17,000rpmから始まり、上限20,000rpmまで。
- ウインカーレンズがほぼ円筒形で、角がある。
- ウインカーリレーが機械式。チャージのためのタイムラグがあるので、レバーを倒してもすぐには点かない。点滅時にはシートの下から「カチカチ」と小さなリレー作動音が聞こえる。
- ハンドルグリップのすべり止め模様が細かいチェッカリング状(ギザギザ)。
- ハンドルのバーエンドが銀色。
- クラッチカバーに6つのくぼみがある。
1989年の主な出来事
- 社会
- 株価が最高値を記録、バブル経済の絶頂期
- リクルート事件
- 昭和天皇崩御、元号が昭和から平成へ(1/7)
- 初の消費税がスタート、税率3%(4/1〜)
- 中国・天安門事件(6/3,4)
- 美空ひばり死去。享年54歳(6/24)
- 連続幼女誘拐殺人犯、宮崎勤を逮捕(8/10)
- 横浜ベイブリッジが開通(9/27)
- 東西ドイツ・ベルリンの壁崩壊(11/9〜)
- 流行
- テトリス
- 一杯のかけそば
- ノルウェイの森
- リゲイン・24時間戦エマスカ
- 濡れ落ち葉
- オバタリアン
- 映画
- 魔女の宅急便
- ドライビング・ミス・デイジー
- 音楽
- 「淋しい熱帯魚」ウインク(レコード大賞)
- 「Diamonds」「世界で一番熱い夏」プリンセス・プリンセス
- 「とんぼ」長渕剛
- 「太陽がいっぱい」光GENJI
- WGPチャンピオン
- 500:エディー・ローソン/ホンダ
- 250:アルフォンソ・ポンス/ホンダ
- 125:アレックス・クリビーレ/JJ Cobas
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GSF250N
パイプハンドル仕様を追加
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-104333〜 1990年4月発売
- 新車当時の販売価格
- 515,000円
- 車体色
- ブラック(019)
- 特徴
- ハンドルをアップ型のパイプに
- リアショックの特性変更(ユニット上端に目印の赤ペイントがある)
- 他はGSF250に準ずる。
1990年の主な出来事
- 社会
- バブル経済の崩壊
- 東西ドイツ統一
- 大学入試、共通一次試験から大学センター試験へ(1/13〜)
- 女子高生校門圧死事件(7/6)
- イラク軍がクウェートに侵攻(8/2〜)
- 日本人初の宇宙飛行士(秋山豊寛)(12/2〜10)
- 流行
- 任天堂・スーパーファミコン発売(11/21)
- アッシー君
- 成田離婚
- 人面魚
- ティラミス
- 映画
- プリティー・ウーマン
- ゴースト/ニューヨークの幻
- 音楽
- 「踊るポンポコリン」BBクィーンズ(レコード大賞・ゴールドディスク賞/ロック・ポップス部門)
- 「恋歌綴り」堀内孝雄(レコード大賞・ゴールドディスク賞/歌謡曲・演歌部門)
- 「今すぐKiss Me」リンドバーグ
- 「さよなら人類」たま
- 「会いたい」沢田知可子
- WGPチャンピオン
- 500:ウェイン・レイニー/ヤマハ
- 250:ジョン・コシンスキー/ヤマハ
- 125:ロリス・カピロッシ/ホンダ
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GSF250ZM
Limited仕様を追加
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-115400〜 1991年5月発売
- 新車当時の販売価格
- 585,000円
- 車体色
- キャンディジプシーレッドNo.3(ベース:00J)+トラディショナルシルバーメタリック(トリム) ホイール色は黒
- スペースブラック(ベース:13Z)+レガートゴールドNo.2(トリム) ホイール色はゴールド
- 特徴
- フレームマウント式のFRP製ロケットカウルを装備。
- ライト、ウインカー、ミラー、メーター類もカウル同様にフレームマウント式。
- シート地が400と共通品の高品質エンボス加工。
- エンジンカバー類の一部を銀色メッキでバフがけ、クリアー塗装処理。
- 標準仕様にあるクラッチカバーの6つのくぼみがない。
- エンジンオイル注入口の位置が少し高い。
- キャブのパイロットジェット経路の小径化(参考:低回転の弱さを改善出来ないか)
- 他はGSF250に準ずる。
1991年の主な出来事
- 社会
- 牛肉オレンジ自由化
- 湾岸戦争勃発(1/17〜)
- 信楽高原鉄道で列車が正面衝突事故、死者42名・重軽傷614名(5/14)
- 横綱・千代の富士が引退(5/14)
- 雲仙普賢岳で大火砕流発生、死者・行方不明43名(6/3)
- クーデターによりソ連崩壊(8月)
- 本田宗一郎死去。享年84歳(8/5)
- 流行
- 大相撲「若貴ブーム」
- 絵本「ウォーリーをさがせ!」
- 茶髪
- バツイチ
- ドラマ「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」
- 映画
- 羊たちの沈黙
- 機動戦士ガンダムF91
- 音楽
- 「愛は勝つ」KAN(レコード大賞/ロック・ポップス部門)
- 「北の大地」北島三郎(レコード大賞/演歌部門)
- 「どんなときも」槙原敬之
- 「SAY YES」CHAGE & ASKA
- 「ラブ・ストーリーは突然に」小田和正
- WGPチャンピオン
- 500:ウェイン・レイニー/ヤマハ
- 250:ルカ・カダローラ/ホンダ
- 125:ロリス・カピロッシ/ホンダ
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40馬力型
GSF250P
セパハン
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-122208〜 1992年9月発売
- 新車当時の販売価格
- 515,000円
- 車体色
- ブラック(019)
- ルージュレッドNo.2(1TY)
- プライムグリーン(1UH)
- キャンディースターリットブルーメタリック(34R)
- 特徴
- カムシャフト、シグナルゼネレータ、イグナイタ、キャブパーツなどの変更により40馬力化、レブリミットもやや低く設定。
- タコメーターのレッドゾーンが16,000rpmから始まり、上限18,000rpmまで。
- 5,6速のギア比がやや高く設定された。
- ライトスイッチ廃止による常時点灯化。同時にポジションランプも廃止。
- ウインカーレンズが丸みをおびた(後期型250,250Vなどと同じ)。
- ウインカーリレーが無接点(半導体)式になり、スイッチONですぐ点灯するようになった。
- ハンドルグリップのすべり止め模様がチェッカリング(ギザギザ)から太い斜め線タイプへ。
- ハンドルのバーエンドが黒色。
- クラッチカバーの6つのへこみがなくなった(Limitedと共通化)。
- エンジンオイル注入口の位置が少し高くなった(Limitedと共通化)。
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GSF250NP
パイプハンドル仕様を追加
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-122608〜 1992年10月発売
- 新車当時の販売価格
- 499,000円
- 特徴
- 40馬力型のパイプハンドル(GSF250Nよりやや低い)。通称コンチハン。
- リアショックはGSF250Nと同じく赤ペイント付き。
- 他はGSF250Pに準ずる。
1992年の主な出来事
- 社会
- アルベールビル冬季オリンピック(2/8〜23)
- バルセロナオリンピック(7/25〜8/9)※夏期・冬季同年開催の最後の年
- NTT、移動体部門を分離してNTT DoCoMoを設立(3月)
- 尾崎豊死去。享年26歳(4/25)
- 自衛隊が初の海外PKO活動開始(7月)
- 山形新幹線が開業(7月)
- 毛利衛スペースシャトルで宇宙へ(9/12〜)
- 風船おじさん、消息を絶つ(11/23)
- 佐川献金疑惑で金丸信が辞職(10/14)
- 流行
- ソニー・初の光磁気記録メディア、MD(ミニディスク)を発売
- カシオ・G-SHOCK腕時計発売
- 誉め殺し
- もつ鍋
- 美少女戦士セーラームーン
- きんさん・ぎんさん
- 今まで生きていた中で一番幸せです(水泳・岩崎恭子)
- こけちゃいました(マラソン・谷口治美)
- 映画
- 紅の豚
- 氷の微笑
- 音楽
- 「君がいるだけで」米米CLUB(レコード大賞/ロック・ポップス部門)
- 「白い海峡」大月みやこ(レコード大賞/演歌部門)
- 「涙のキッス」サザンオールスターズ
- 「それが大事」大事MANブラザーズバンド
- 「ガラガラヘビがやってくる」とんねるず
- WGPチャンピオン
- 500:ウェイン・レイニー/ヤマハ
- 250:ルカ・カダローラ/ホンダ
- 125:アレッサンドロ・グラミーニ/アプリリア
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GSF250ZP
Limited仕様を追加
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-125228〜 1993年5月発売
- 新車当時の販売価格
- 585,000円
- 車体色
- ルージュレッドNo.2(1TY) ホイール色は標準仕様と同じ
- 特徴
- フレームマウント式のFRP製ロケットカウルを装備。ただし外装マーキングはなく単一カラーのみ。
- ライト、ウインカー、ミラー、メーター類もカウル同様にフレームマウント式。
- シート地が400と共通品の高品質エンボス加工。
- エンジンカバー類の一部を銀色メッキでバフがけ、クリアー塗装処理。
- 他はGSF250Pに準ずる。
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GSF250R
セパハン最終型
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-127631〜 1993年10月発売
- 新車当時の販売価格
- 515,000円
- 車体色
- キャンディアンタレスレッド(19A)
- パールノベルティブラック(33J)
- キャンディースターリットブルーメタリック(34R) ※コンチハンのみ
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GSF250NR
パイプハンドル最終型
- 開始車台番号/発売年月
- GJ74A-127811〜 1993年10月発売
- 新車当時の販売価格
- 499,000円
1993年の主な出来事
- 社会
- 皇太子殿下(浩宮様)と小和田雅子さんが御婚約(1/19)
- 国内初のプロサッカーリーグ、Jリーグが開幕(5/15)
- 北海道南西沖地震(マグニチュード7.8、最大震度6)奥尻島を中心に津波被害。死者201名・行方不明29名(7/12)
- 南九州地方に集中豪雨と台風による災害、鹿児島県内のみで死者118名(通称8.6水害)
- 逸見政孝、自らガンを公表(9/6)、12/25死去、享年48歳
- 流行
- NTT DoCoMoがデジタル・ムーバPDC800を発表、携帯電話のデジタル化開始(3月)
- インターネット
- コギャル
- ナタデ・ココ
- リストラ
- 矢ガモ
- マーフィーの法則
- ドーハの悲劇
- 映画
- ジュラシック・パーク
- 学校
- 音楽
- 「無言坂」香西かおり(レコード大賞)
- 「YAH YAH YAH」CHAGE & ASKA
- 「ロード」THE 虎舞竜
- 「負けないで」ZARD
- 「島唄」THE BOOM
- WGPチャンピオン
- 500:ケビン・シュワンツ/スズキ
- 250:原田哲也/ヤマハ
- 125:ダーク・ラウディス/ホンダ
- 若井伸之(スズキ)、スペイン・ヘレスサーキットにて事故死。享年25歳(5/1)
- ウェイン・レイニー(ヤマハ)、負傷により現役を退く(9/5)
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生産終了(1994年)
1994年いっぱいで初期型250(GJ74A)は生産終了。翌95年より後期型250(GJ77A)としてフルモデルチェンジ。
1994年の主な出来事
- 社会
- 「自民・社会・さきがけ」連立で村山政権誕生
- リレハンメル冬季オリンピック(2/12〜27)
- 名古屋空港で中華航空エアバスが着陸失敗、死者264名(4/26)
- F1・サンマリノGPでアイルトン・セナ事故死、享年34歳(5/1)
- 松本サリン事件(6/27)
- 日本人初の女性宇宙飛行士(向井千秋)(7/8)
- ビートたけし、バイク事故で重症を負う(8/2)
- 大阪・泉州沖の関西国際空港が開港(9/2)
- 切手代値上げ・封書61円→80円、ハガキ41円→50円
- 流行
- 携帯電話の売り切り販売開始(4月)※これまでは基本的にレンタルだった。
- ソニー・初代プレイステーション発売(12/3)
- すったもんだがありました
- ヤンママ
- 悪魔ちゃん
- イチロー効果
- 同情するなら金をくれ
- 映画
- 平成狸合戦ぽんぽこ
- シンドラーのリスト
- 音楽
- 「innocent world」Mr.Children(レコード大賞)
- 「ロマンスの神様」広瀬香美
- 「空と君のあいだに」中島みゆき
- 「恋(いと)しさと せつなさと 心強さと」篠原涼子 with t.komuro
- 「HeyHeyおおきに毎度あり」SMAP
- WGPチャンピオン
- 500:マイケル(ミック)・ドゥーハン/ホンダ
- 250:マッシミリアーノ(マックス)・ビアッジ/アプリリア
- 125:坂田和人/アプリリア
データ引用元
スズキBandit250「サービスガイド」1989年12月発行(最終追補1993年10月版)
スズキBandit250「パーツリスト」
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年式とロット記号
上記の表に書かれている車台番号(フレームのヘッドパイプに刻印されている一連の英数字)は、あくまで開始番号ですから、例えば40馬力型のセパハン車はGJ74A-122208から、パイプハン車はGJ74A-122608から始まっているという事であって、セパハン車が122208〜122607までの400台しか造られなかったという意味ではないです。
いろんな方々にお話を伺ってみると、モデルチェンジ期の前後は細部に微妙な部分が多かったようです。新パーツの供給が間に合わず外装の色が旧型のままだったり、時には出荷済みのものをいったん回収して再装備する場合もあったらしく、後期型Banditの中ではマイナーチェンジ前後のパーツが混在する新車が稀に見受けられました。場合によってはバイク店側で緊急のパーツ取りに使われた新車在庫車もあったでしょう。そういった事情も含め、車台番号は目安のひとつ程度に考えておいた方がいいかもしれません。
小型二輪(排気量251cc以上)では車検証に初回の登録年月がずっと記録として残るので、出荷されてから最初のオーナーに買われるまでの期日が長くあいた場合を除いて、年式をそう大きく間違う事はないと思います。一方Bandit250のような軽二輪や原付では初回の日付や名義変更前の情報が残りません。むしろ届出証書といっしょに保管している事の多い自賠責証書のハンコの日付の方が有力な手がかりになります。
それ以外ではパーツに刻印されているロット記号をチェックするという手もあります。写真のようにリアシート裏側の白い樹脂部分や、フロントフェンダー裏側にある刻印(マス目の中の点の位置)が部品の製造年月を表しています。探してみると他にもあるかもしれません。当然ながら車体が組み立てられたのはパーツの製造よりも後になるわけで、車台番号と合わせるとそこそこの線まで追求出来ます。もちろん事故や破損によって部品交換されていないのが前提ですが。
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