Banditをお持ちの方、左ハンドルにあるチョークレバーはスムーズに動きますか?ここは動かす機会が少ないのに加えて、ワイヤー端が上を向いているせいかアウターの内部に雨水が侵入しやすく、ちょうどレバー直下のカーブのあたりで溜まってサビついてしまう事が多いみたいです。これを避けるにはチョークを使わない季節でも時々は動かしてやる事と、ワイヤーへの定期的な注油が必要。
他にワイヤーが使われているのはアクセル、クラッチ、スピードメーターがあります。動きが悪くなったり、ツーリング先でブチッと切れて途方に暮れる事のないよう、時々は面倒を見てやりましょう。
これに関してバイクメンテの本ではたいていワイヤーインジェクターという工具とワイヤー用スプレーを使って、シューッとワイヤー内部に吹き込めば簡単・・などと書いてあります。でも作者はこのインジェクターを使うのが苦手。スプレーしても差し込み穴から逆流してきて、どう見てもワイヤー内部に入っていく分より漏れる方がずっと多い気がするのです。ネジをうんと締め込んだりテープを巻いたりしましたが、どうにもすっきり入ってくれません。インジェクター自体に出来不出来の個体差があるのか、あるいはやっぱり使い方がヘタクソなだけかもしれませんが、そのうち使わなくなり車庫の隅に放りっぱなしにしていたら、どっかに行ってしまいました。
というわけで、作者がいつもやっているインジェクターを使わない注油方法を書いてみます。
まずハンドルスイッチを分解して、各ワイヤーの端を取り出します。
オイル差しにエンジンオイルを入れて、ワイヤーアウターの口から少しずつたらします。時々ワイヤーを動かしてやると早くしみ込んでいきます。気温やワイヤーの太さによっても違いますが、ちょこちょこ10分もやっていると反対側からオイルが滲んで来ますので、そこで完了。
ハイ、たったこれだけ。簡単でしょ? 反対側まで達するのに時間がかかるのではと思いがちですが、意外とスムーズに入っていってくれます。CRC556などの浸透オイルスプレーは手軽に潤滑出来ますが、すぐに流れちゃって持ちがよくありません。エンジンオイルはその点かなり長く油膜を維持してくれます。
「そんな事チマチマやってられっか、俺は忙しいんだ!」という方にはこちら。ビニール袋の隅をほんの少しカットし、ワイヤーの端を通して、ガムテープ等でキッチリ固定します。
あとはビニール袋の中にエンジンオイルを入れ、ヒモか何かでビニール袋を上から吊し、そのまま放置しておけば自然と全体に行きわたります。ガムテープから少々漏れてきますが、大部分はワイヤー側に流れていきますので大丈夫。下には新聞紙やウエスを敷いておきましょう。
車体に取り付けたままでこれをやった場合、アクセルやチョークはキャブの下からオイルがボタボタ落ちてきますので、エンジンの上に何か敷いておいてください。同じようにクラッチのエンジン側にも漏れてきますが、ここはもともとチェーンオイルで真っ黒ベタベタですからあまり気にしなくてもいいかも。
ワイヤー注油なんてそう頻繁にやる作業でもないですが、オイルを差したりビニールを巻き付けるのはやはり面倒なもの。もっと簡単でうまい方法がないかといろいろ考えているところです。このようなボールペンの外側樹脂をオイル差しがわりに使って、先端をワイヤー部に突っ込ませて上からオイルを注入しておけば・・とか。
オイル量は少ないかもしれませんが、定期的に注油するなら一度に大量給油する必要はない気もしますしね。必要とあらば太めのパイプを差し込んで容量アップも出来そうだし。みなさんもいろいろ試してみてください。
今日ふと思いついてやってみた方法です。オイル差しの先っぽを適当なところで切ってアウターにはめ込み、上からオイルを注いで放置しておけばカンタン自動注入出来ます。タイコ部分を通す必要があるのでアウターの外径より若干太めの部分で切らなくてはいけませんが、アウターにビニールテープを2.3回巻いて太さをかせいでおき、ギュッとはめ込めばOK。上記のビニール袋式よりは簡便な印象です。
しかしアクセルとチョークにはいいけど、タイコ部分が特別大きなクラッチワイヤーにはちょっと無理そう。