潤滑に使われるCRC556スプレーはゴムや樹脂を痛めますので、このようなキャブ内部には絶対使わないでください。
1・スタータージェット #40
2・メインジェット #105
3・パイロットジェット #15(40馬力型では#12.5)
ジェットの番数(#)は側面に数字でひとつひとつ刻印されており、穴の大きさを1分間に流出するガソリンの量(cc)で表しています。
スターターとメインの2つは、外形はまったく同じです。肉眼で見てもメインの方の穴が明らかに大きいのでわかりますが、組み立てるときは間違えないようにしてください。
パイロットジェットは細い穴の奥にあるので、普通のドライバーでは入らないかもしれません。細めのマイナスドライバーを使ってください。
ジェットは柔らかめの金属で出来ていますので、傷をつけたり変形させないように要注意。
もしスターターとメインを締める場所を入れ違えてしまったら、エンジンの回転数が4,000rpmくらいで壁にブチ当たったようになり、それ以上回らなくなります。
他にジェットの締め付けが悪いと、走行中の振動で脱落する事がまれにあります。そうなるとアイドリング回転数がメチャクチャに上昇したりしますので、組み立てるときには抜けない程度にきっちり締め付けてください。
はずしたジェットをコップなどにまとめて入れ、キャブレタークリーナーを吹きかけます。液がつかるくらいたくさん吹いてください。少し揺すってから、しばらく放置しておきます。
キャブ本体にジェットをつけたままキャブクリーナーを吹くと、クリーナーによってはOリング類を痛めるモノがあったり、溶けた汚れがキャブの奥に流れ込む事があるので、めんどうでもキチンと分解してから洗浄しましょう。
1〜2時間ほど置いたら、エアーブローを吹き込んで中を掃除しておきましょう。エアブローは鋭く強い空気が出せればなんでもいいです。パソコン掃除用のエアー缶や自転車用空気入れ、カメラ用のブロアーなど。
エアーを吹き付けるだけでは不十分な事もありますから、直接穴を通してきれいに掃除します。でも普通の針金だとジェットの穴を傷つけてしまうので、荷札に使われるごく細くしなやかな針金を使うのが一般的。作者はいつもシールド線に使われる網線をほぐして使っています。1,2本〜数本たばねる事で、ジェットの種類によって太さを変えられるので便利。
あまりに汚れのひどいものは、無理に穴を通すよりも新品に交換してしまった方がいい場合もあります。